マナボックスによる法令ニュースです。

先日ですが、ベトナムの国会は、2023年7月1日から12月31日までVATの税率を2%引き下げ8%になることを決議しました(決議101/2023/QH15)。

以下の時点では、提案でしたが今回決定となりました。

>>ベトナム政府は、2023年の残りの期間、VATを10%から8%に引き下げる提案をすることに合意

そして7月になったので、該当するモノやサービスについては8%になりました。あなたももしかしたらレストランなどのレシートを見て気がついたかもしれませんね。

トリック? すべてのサービスやモノが引き下げの対象ではない。

今回、VATの税率が7月から引き下げされるんですが重要な点はすべてのサービスやモノが対象でないという点です。こちらについては前回の施作と同様です。

そこで、引き下げの対象となったサービス・モノについて分別する方法についてお伝えします。あなたの会社でVATインボイスを発行する時に役立つと思います。なおベトナム語のコンテンツがベトナム人には有用ですので以下のリンクを参照してください。

https://gonnapass.com/tra-cuu-mat-hang-giam-thue-gtgt/

これがトリックというか、実務上の負担を増やしている理由となるんですよね。判断が入るからです。

こちら以下に分類して解説していきます。

  • サービス
  • モノ

サービスについてVAT引き下げかの判断

サービスについてはそこまでは難しくはありません。

STEP1:自社のライセンスを確認する

以下の方法であなたの会社のライセンスを確認することが可能です。

STEP2:当てはめして確認する

政令44/2023/NĐ-CPのAppendix Ⅰに引き下げの対象じゃないサービスが記載されているのでそれで確認します。ここで記載されている内容であれば減額ができません

APPENDIX I

LIST OF GOODS AND SERVICES NOT BEEN REDUCED VAT RATES
(Attached to Decree No. 44/2023/ND-CP dated June 30, 2023 of the Government)

政府のウェブサイトも参考になるでしょう。

https://xaydungchinhsach.chinhphu.vn/toan-van-nghi-dinh-44-2023-nd-cp-ve-giam-thue-gia-tri-gia-tang-119230630185610998.htm

モノについてVAT引き下げかの判断

一方でモノについてはやや複雑です。なぜならが細かいコードで管理されているからです。

STEP1:自社のライセンスを確認する

以下の方法であなたの会社のライセンスを確認することが可能です。ただし、ここでは商品コードまでの詳細はわかりません。

STEP2:43/2018/QD-TTgで商品コードを確認する

ステップ2では、2018年11月1日付決定第43/2018/QD-TTg号の添付のリストと比較し、対応する製品等のコードを確認します。ここが時間がかかることでしょう。
>>số 43/2018/QĐ-TTg

STEP3:当てはめして確認する。

上記のSTEP2で検索された商品コードを、政令別表で指定された商品のコードと比較します。これは上記サービスの場合の「当てはめして確認する」と同様です。

もし、LIST OF GOODS AND SERVICES NOT BEEN REDUCED VAT RATES(Attached to Decree No. 44/2023/ND-CP dated June 30, 2023 of the Government)

に存在すれば、VATについて減額ができませんし、なければVATを減額(8%)できるということになります。

意味あるの? 実務上の問題を列挙してみました。

このVAT減額ですが、政府の目的は国内消費をブーストさせることにより活気を取り戻すことでした。

しかしながら、実務上は以下の問題が生じているとのことです。

  • お店側が総額は変わらないように調整してしまう。例えば、今まで110(100+10)であったのに110(102+8)にするなど。エンドユーザーにしたら変わらないので消費意欲がわきません。
  • 減額の対象か?の調査に判断入るし、時間がかかるのでちゃんと摘要する企業が多くはないかもしれない。時間はお金なのでそこの考慮が抜けてしまっているような…。
  • 本当は8%の対象なのを売り手が10%でVATインボイスを発行すると、買い手に不足の損害が生じる(インプットVATが10%払ったのに8%しか認めないって税務署が言いそう)

こんな感じです。個人の肌感としてもこの減額がベトナムの景気にポジティブな影響を与えるような印象はないです。あくまで個人的印象ですよ。