ラボの菅野です。
今日のテーマは『ベトナムで個人所得税の納税に問題ある人は出国できない? 入国管理局と税務当局の関連性』というテーマでお伝えします。
126/2020/ND-CPの21条によると、ベトナムで納税義務を履行していない人々は、税務に関する負債に起因して、国境の越える際の進退に制約を受けることがあり得ます。要するに「ベトナムに個人所得税を納税すべきなのに脱税してんだったら日本に帰さないぞ」といった事です。
このような制約が自らに適用されているかどうかを確認する方法は何か?本稿では、その調査方法についていくつかの策の概要をお伝えします。
なお、ラボではもう少し深く説明しています。
>>M-Lab【注意!入国管理局と税務当局の連携】ベトナムで納税してない人は出国できない。実際の画面で徹底解説!
この記事のもくじ
ベトナムで納税義務を果たしていない場合の入出国が停止される場合
以下の場合ががあります。
- 税務管理に関する行政的決定を強制実行されている個人や、企業の法定代表者で税金の支払い義務を果たしていない人々。
- ベトナムを離れる前に、外国人が税金の支払い義務を果たしていない場合
- 国外に定住するために出国するベトナム人で、まだ税金の支払い義務を果たしていない人々。
- 国外に居住しているベトナム人で、国を離れる前にまだ税金の支払い義務を果たしていない人々。
前者の2つは日本人に関連する場合ですよね。まあ、要は「支払うべき税金を支払っていない場合は出国もできないよ!」と覚えてもらえるといいと思います。
この場合どのような流れで出国を止められるのか?の概要を解説します。大きな流れとしては…
- 税務当局によるリストが個人と入国管理局に送付
- 入国管理局が対応
のステップです。それぞれ解説していきます。
税務当局による出国禁止対象者リスト
126/2020/ND-CP号令第21条第3a項によれば、税務当局は、出国を遅らせるべき個人及び企業の法定代表者のリストを作成し、入国管理機関に通知を送り、同時に国を離れる前に税金の支払い義務を完了するよう納税者にも送ります。
3. 出国停止措置の発動、延長、取消の手続き
a) 納税者の納税義務が確定した後、税務当局は出国停止対象者のリストを作成し、出国停止通知書(本書付録 III の様式番号 01/XC)を入国管理局と納税者に送付する。
引用元:政令 126/2020/ND-CPの第21条第3項
税務総局の Web サイトの検索リンクは以下の通りです。
上記のウェブサイトで納税者(例えばあなた)はその通知を確認し、自分のステータスを判断することができます。しかし、納税者が上記の通知を受け取らない理由がいくつかある場合もあるようです。したがって、この場合には注意が必要です。通知を受け取ってないのにブラックリストに載ってる可能性があるからです。サプライズ!ベトナムあるあるですよね。
入国・出国審査が停止されているかどうかを判断するための情報を調べるいくつかの方法 【税務当局と入国管理局の繋がり】
次の流れとしては税務当局のリストももとに実際に出国を止める流れです。
税関総局入国管理局のウェブサイトで調べる
もし日本人が納税していないで日本に帰国しようとした場合に、「これもしかして出国が拒否されてるかも」というのがわかるのです。まあそんなことはないとは思うんですけどね。ただずっと個人所得税を納税してない場合などがまれにあるのでその人は注意しなければいけませんね。
政令126/2020/ND-CPの第 21条第3項によれば、次のように規定されています。これが根拠になりますね。
b) 税務当局からの出国を延期する文書を受け取ったその日に、入国管理局は以下に従って一時出国を実施する責任があります。 規定に基づき入国管理局のウェブサイトに掲載されます。
引用元:政令 126/2020/ND-CP の第 21条第3項
今回の記事の引用元の条文の全体も貼っておきます。
Article 21. Fulfillment of tax obligations upon exit from Vietnam
1. Exit from Vietnam will be suspended in the following cases:
a) The individual, the individual that is the legal representative of an enterprise has not fulfilled tax obligations under a tax enforcement decision.
- b) A Vietnamese country has not fulfilled his/her tax obligations before emigration.
- c) A Vietnamese national abroad has not fulfilled his/her tax obligations before exit.
- d) A foreigner has not fulfilled his/her tax obligations before exit.
2. Authority to impose, extend and cancel suspension from exit
- a) The head of the supervisory tax authority of the taxpayer has the authority to suspend the taxpayer specified from exit in the cases in Clause 1 of this Article.
- b) The person that imposes the exit suspension also has the authority to extend and cancel the suspension.
- c) The person that imposes the exit suspension shall cancel the suspension within 24 hours after the taxpayer fulfills his/her tax obligations.
3. Procedures for imposing, extending and canceling exit suspension
- a) After a taxpayers’ tax obligations are determined, the tax authority shall compile a list of individuals suspended from exit and send a suspension notice (Form No. 01/XC in Appendix III hereof) to the immigration authority and the taxpayers.
- b) Within the day on which the suspension notice is received, the immigration authority shall suspend these persons from exit and post the suspension notice on its website.
- c) If a suspended person has fulfilled his/her tax obligations within 24 working hours, the tax authority shall issue a suspension cancellation notice (Form No. 02/XC in Appendix III) and send it to the immigration authority.For suspended persons who have not fulfilled their tax obligations in 30 days before expiration of the suspension period, the tax authority shall send a notice of extended suspension (Form No. 02/XC) to the immigration authority and these persons.
- d) The suspension notice, extended suspension notice and suspension cancellation notice shall be sent by post or electronically if possible and posted on the website of the tax authority. It will be considered that a notice has been sent if it has been posted on the tax authority’s website even if it is returned after sent by post.
引用元:政令 126/2020/ND-CPの第21条第3項
今日のまとめ
本日は「しっかり納税してない人は出国できない。その流れと調査方法」というテーマでお伝えしました。ベトナム人も外国人もその可能性があります。日系企業ではさすがに個人所得税を納税していない人いないかと思いますがもしかしたらそのリスクもある人もいるかもしれません。
きちんと認識しなければいけないのが「入国管理局と税務当局の連携」だと思います。この記事では
- 税務当局→入国管理局
のケースでしたが
- 入国管理局→税務当局
だともっと論点が生まれてくると思います。なぜかと言うと…。これについては以下のリンク先で解説しています。