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ベトナムの電子機器市場で第4位のシェアを誇るAsanzoグループは、近年の脱税スキャンダルによりその評判に大きな影を落としています。この記事では、Asanzoの脱税スキームとその結果として科された罰金について詳しく解説します。関連するニュースを調査しまとめました。

金額をまとめると以下の通り。まあ大きな金額ですよね。為替の影響を受けますが脱税金額は3億円弱です。

項目金額(VND)金額(USD)
脱税額406億1.75百万
支払い遅延金16億69,130
合計脱税額422億1.82百万
追加の罰金263億1.14百万
総合計(脱税額 + 罰金)685億2.94百万

脱税のスキームとは?考察してみよう

まずここですよね。大事です。なぜならばこのようなスキームは抽象化するとどの会社でも同様なパターンに整理できるからです。

2つに整理できます。

  • 違法な請求書による法人税の脱税(典型例といっていいかもしれません)
  • 偽造による特別消費税(Excise Tax)の回避

違法な請求書の使用による脱税

Asanzoグループの脱税スキームの中で、特に注目すべきは偽造請求書の使用です。この手法により、Asanzoは大規模な税金回避を実現していました。

Asanzoは、実際には存在しない取引や虚偽の取引を示す請求書を作成し、法人税を脱税しました。これにより、2017年から2019年にかけて15.7億VND(おおよそ61.68万ドル)以上の税金を逃れていたことが判明しました。

具体的には、以下のような手法が用いられたと考えられます。

  • 偽造請求書の作成:Asanzoは実際には存在しない取引や金額を偽造し、違法な請求書を作成しました。これにより、虚偽の経費を計上し、法人税を減少させました。
  • 虚偽の取引記録:偽造請求書を使用して、実際には行われていない取引を記録し、税務当局に対して虚偽の報告を行いました。

電子部品の購入と偽装

Asanzoは、地元企業からの電子部品購入に関して「違法な」請求書を使用しました。具体的には、Viet Tai貿易投資有限会社、An Thien製造投資有限会社、およびTran Thoan輸出入投資有限会社などの企業と基本契約を締結し、エアコンの部品を購入しました。しかし、これらの部品を「完成品」としてリストすることで、特別消費税(Excise Tax)を回避しました。

違法な請求書の意味とは?

この事件、私たちベトナムでビジネスをする日系企業でも関連しているといえます。例えば「カラオケ」などで発生事例です。

以下では限定の記事も含めていますがその内容を深堀して解説していますよ。

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経営者はどのような対応をするのか?

この会社の責任者はどのように対応しているのでしょうか?

Asanzoの会長Pham Van Tam氏は、税務局の指摘に対して以下のような対応を取っているかもしれません。ここからは妄想が入っています。

控訴と法的対抗策

控訴の理由 Tam氏は、ホーチミン市税務局の調査結果に対して異議を唱えています。具体的には、以下の点を控訴の理由を主張するかもしれませんね。

  • 調査結果の誤り:税務局の調査結果に誤りがあり、実際の取引や経費計上が正確に反映されていないと主張しています。
  • 証拠の不足:脱税行為を裏付ける十分な証拠がないと主張し、税務局の結論に異議を唱えています。

ベトナムにおける脱税の今後の展望と影響

Asanzoの脱税スキャンダルは、同社の信頼性とブランドイメージに重大な影響を与えました。今後、企業がどのように信頼を回復し、ビジネスを継続していくかが注目されます。

という一方でまだまだ大企業という前提もありますが「ベトナムのローカル企業」からも税金ちゃんと取るよ、脱税はこれまではあまかったかもだけど今後は厳しいよ!という態度も見られたんじゃないかなあとも思っています。

これまでは外資いじめのような感じが強かったと思いますが今後はそうでもなくなっていくのかと。それ自体は真の意味での公平性という意味でいいことですよね。

今後も気になる論点ではあります。