ラボの菅野です。ラボのコーナーです。
今日は『税務調査の際の心構え、2軸マップで整理』というテーマでお伝えします。
あなたの会社が税務調査に入る時にお役に考える考え方となります。これは私の脳みそではどう考えているか?を見える化した内容でもありますので必ずみなさんのお役にたてることでしょう。
税務調査で指摘されたらこう考えろ!
税務調査では必ず何か指摘されます。指摘ゼロは絶対に有り得ません。なぜならば
- 答えが一つじゃない
からです。解釈が分かれるんですね。そのため、以下の2つの視点がとても大事です。
- 我々が正しいの?税務調査官が正しいの?
- 金額大きい?
です。それぞれ解説していきます。
私たちが正しいの?税務調査官が正しいの?
まずはこの視点です。
税務調査があった時に必ず何か指摘されます。その際、冷静にならなければいけません。あたふたしちゃダメってことです。
その論点「我々が正しいの?税務調査官が正しいの?」といった視点で必ず我々の正当性を主張する必要があります。難しい言葉で言えば、抗弁できるか?どうかの判断です。というのは指摘されるのがめちゃくちゃなことがあるからです。例えばですけど
- VATインボイス入手してるけどその会社、今年倒産したから損金にしません。
- 労働契約書がないから損金に認めません
- 借入金の利息が低すぎるからFCT払ってほしいです。
- 営業利益が低いから推定課税します。
- このトイレットペーパーはおそらく従業員の人が家に持ちかえっているから損金にしません。
まだまだいろいろ指摘事項があるのですが、それはマナラボ(弊社のお客様限定)でチェックリストとして公開することにします。
指摘された時にこれって「私たちほうの主張のほうがどう考えても強いでしょ」という点が出てきます。ここが判断できるか?が専門性があるか?税務署のいいなりか?がわかるポイントです。
指摘されたことに対してすべてびびっちゃう。そして「社長!こんなん言われてまっせー。やばいです!」と大騒ぎしてしまう。これが最悪のパターンですね。
「指摘されたけどこれ言い返せるよね」という判断ができるか?が大事です。その時以下の視点も持つともっといいですね。法人税に限ります。
- 事業関連性(その費用は事業活動と関連しているの?)
- 書類はあるの?
です。
金額が大きいか?どうか?
もう一つの軸は金額の軸です。要するに指摘されたけど僅少であれば無視しちゃう。スルーしちゃう。ということです。
というのは税務調査チームも指摘額の予算があり、それを達成しないと上司に怒られちゃうからです。なんとも理不尽ですが人間社会なんてそんなもんでしょう。理屈じゃないから、これまで文明は発展したし、GDPも増加してきた(無駄を生み出し続けるという考え方もあり)とも思うからです。
そこで、「我々がどうしても正しいけど、金額小さいから無視」するというのもありです。そこで変に頑固になると税務担当官が「本当はここ指摘できるけど今回目をつぶっていたのになあ。そんなに言うならそこ指摘してやれ!」となる可能性があるからです。
たとえば上記で述べた「トイレットペーパーの話」もそうです。そんな理屈(従業員が持ち帰っているからダメ)抗弁できるに決まっていますよね。でも、総合的に考えて受け入れちゃうというのもアイデアなんですね。
2軸マップでまとめると?
私の頭の中のマップを図表化するとこんな感じ。
です。わかりやすくなったかもしれません。「これは全然、言いかえせるな」「この指摘はどうしても勝てない」などと分析しています。
ベトナム🇻🇳税務ヘルスチェックの意味
税務調査を実施される前に「ヘルスチェック」を実施することがあります。これによる意味合いを明確にしてください。
- 税務調査の予行演習をすることにより潜在的な金額を把握し事前に本社に共有することによって喧嘩を防止
- 評価による「我々のほうが正しい」の方向にもっていくための準備をする
この2つかなあと思います。まず前者ですがこれは駐在員様を守るための行為でもあります。日本本社が税務リスクについて楽観的すぎる場合があります。「ちゃんと経理担当者いるし、会計事務所にもお願いしているんだから追徴課税なんてないでしょう」といったケースです。けれどもそんなことはありません。解釈がわかれどっちも正しいことがよくあるからです。特に損金算入・不算入の話や推定課税のところは唯一の答えがありません。 なので「税務指摘でゼロはない」と認識しておくことがメンタル上も大事だと思います。
次が「ヘルスチェック」の最も大事な点です。「我々のほうが正しい」の方向にもっていくための準備をするです。イメージ以下のようになります。すごく大事です!
まさに「ヘルスチェック」なのですが、チェックの結果、「悪いところ」があればそれを治療しましょうというのが目的です。具体的には
- エビデンスが十分でなければそれを準備する
- 指摘されたときの説明文を準備しておく
です。これをすることによって後悔することなく税務指摘リスクを最小化することが可能でしょう。
弊社マナボックスベトナムでは税務ヘルスチェック支援も実施しています。