こんにちは、マナボックスの菅野です。
今日は『感情を捨てて数値化の鬼になろう!そうすれば素晴らしい結果が出る』というテーマでお伝えしていきます。
もし、あなたが以下の悩みを持っているのであればお役にたてるはずです。
- ベトナム人のスタッフの評価で悩んでいる。
- 努力しているから給与上げてほしいと言われている。
- 他の会社はこうなんだから私の会社もこうしてと要求されている。
- スタッフの「がんばったんだから」「努力したんだから」の口癖に疲れた。
- とって、忙しいです。という主張に疑問を持っている。
今日のトピックは以下の書籍のまとめと私の海外での経験を組み合わせたものになります。すごくいい書籍なのでマネジメントに関わる人は是非読んでみてくださいね!
今回の記事の全体像は以下の通りです。
この記事のもくじ
なぜ、数値化の鬼になる必要があるのか?【マインドセット】
感情を取り除け!人間はそもそも正しくない
数値化というと無機質で冷たい印象があるかもしれません。「数字がすべてじゃないよ」という人もいるでしょう。しかし、それは間違っています。
仕事ができる人の共通点は「数字の大切さを知っている人」です。心の温かい人であっても「数値」の大事さを認識していない人はまわりの人を不幸にしてしまいます。
これは渋沢栄一氏の「論語と算盤」の算盤部分とも言えるでしょう。算盤部分がないとビジネスが継続できません。
>>渋沢栄一の「論語と算盤」時代や国境超えて使える普遍的な知識、まとめと感想 【①処世と信条】
以下の理由から「数値化の鬼」になる必要があります。
- 感情(バイアス)を取り除き誤解をなくして客観的に正しくなるため
これに尽きます。人間には「感情」があります。これは人生を素晴らしくするといういい側面もあるのですが、正しく判断できないというデメリットもあります。認知バイアスとも言われます。要するに自分の思い込みです。思い込みや周囲の環境などによって無意識のうちに「合理的ではない判断」をしてしまうのです。
そもそも人間は遺伝子的に合理的ではないのですね(笑)。誰でもバイアスがあるからです。好き嫌いとも言ってもいいでしょう。
冒頭で申し上げたビジネスの「悩み」もここから来るものです。
社長の『肝入り』だから続けざるを得ない。
現場に『愛情』があるから徹底できない。
社員全員『身を粉にして』働いています。
こんな議論していても残念ながら前に進まないどころか、後退してしまいます。感情にしか訴えかける言葉でしか議論できないと必ず悪い失敗をします。
数値化して「感情」を修行僧のようにいっさい切り離す。そして客観的になる。これが重要です。
数値化しないからスタッフから不満がでる
加えてベトナムでの大きな悩みは人事評価でしょう。数字でなく曖昧な評価(好き嫌い)すると甘い評価になってしまいます。
- 「私の給与を上げてほしい。こんなに頑張っているんだから」
- 「なぜ、あの人能力が低いのにわたしより高いの?」
- 「結果はまだですが、こんなに私は頑張っています」
よく聞く悩みです。これも「数値化の鬼」になることによって解決できますし、結果的に誰も不幸になりにくいです。
いかなるときも数字で考えて結果を出そう。そのためには「行動量」
行動量を数値化しよう
次にどうやって数値化するか?ですが、ポイントは「行動量」「変数」の2つです。これについて解説していきますね。
ビジネスの世界では、「結果」を出している人が勝ちます。この書籍によれば、仕事のできる人の共通点として「行動」の量が多いという点です。
たしかにそうだと思います。どんなに素晴らしいアイデアでも行動しなければ「ゼロ」。何もインパクトがありません。逆にいうとアイデアはイマイチでも行動(アウトプット)が伴えば、1以上です。インパクトがあります。
あの有名な画家ピカソのお話をご存知ですか?
ピカソは生涯で約15万点の作品を残しているようです。正しい数字を言えば、14万7800点です。つまり、1日あたり5作品。信じられます?この量はやばいです。天才ですらこの行動量ですから、我々、凡人はもっと行動して思考錯誤しないといけません。
要するに行動量を増やさないとなにもわからない。ということです。答えはマーケットにあるからです。なにが答えなんてわからなくて意外なモノが反応よかったりすることあるでしょう?私のブログも私の感覚では絶対見る人が少ないだろうなあと思っているコンテンツが常に1位です。
つまり「質より量」。これが大前提としてあります。
そしてこの行動量を「数値化」します。「たくさんやった。頑張ってやった」では意味がありません。このような抽象的な表現は悪ですので敏感になってもいいと思います。
正しいKPIと心理学を利用しよう
数値化で行動しビジネスで結果を出すためには目標が重要となります。これをKPIと言います。Key Performance Indicatorといいます。
このKPIを必ず数値化します。数値化しないと意味がありません。
例えば身近な例で言えば、「ベトナム語はなせるようになる」というKPIではいけません。ふわっとしているからです。「1日5個ずつ単語を記憶する」「1ヶ月で3回テキストを回す」「週一回クラスに参加」など数値化することが大事です。
例えば、私の場合ですが、「月に20個のテキストコンテンツ(ブログなど)」「週に4つの動画コンテンツ」と数値化して目標を定めました。一応数値化されていますよね。
また、目標を達成するためには習慣化することが大事です。この方法として「if-then プランニング」とても有効です。これは科学的にも裏付けありです。成功の可能性を3倍も高めてくれるという結果も出ています。
if-then プランニングとは、Columbia Business Schoolのモチベーション・サイエンス・センター副所長を務める社会心理学者のHeidi Grant教授が、著者『Nine Things Successful People Do Differently』で提唱している、目標達成のための手法。
University of PennsylvaniaのAngela Duckworth教授とNew York UniversityのPeter Gollwitzer教授と共に行った研究で、Heidi Grant教授は以下のように語っています。
「すぐに教えることができて、圧倒な効果をもたらす簡単なテクニック」
「◯したら◎する」と決めておくだけです。「【if】◯したら【then】◎する」。例えば、
- 朝8時になったら朝散歩する
- 夜21時になったらサウナで考える
- お腹すいたらナッツを食べる
- 集中力きれたら雑務を完了させる
などなど。です。簡単ですよね。
「変数」を見つけろ!間違った努力をしないように
努力しても意味がない場合がある。ただし失敗は恐れて行動しないのはもっとダメ
行動が大事だと申し上げましたが、ただやみくもやっているだけでは長期的には意味がありません。
そこでキーになってくるのが「変数」です。
「y= ax + b 」という公式を学生のこと習ったと思います。xがによってy(結果)が変わってきます。ビジネスも同じです。結果を変えるには「x」を見極める必要があります。
例えば、動画コンテンツのビュー数を結果とします。この場合、Xの候補として以下があるでしょう。
- プレゼン資料の質
- 喋り方、表情
実は、「喋り方」が重要なXなのにプレゼンの資料の質を「X」と勘違いし、ものすごい時間を費やしてしまったら、それは間違った努力の方法です。どんなに努力しても意味のない努力であれば意味がありません。
これは安宅和人さんの『イシューからはじめよ』も全く同様のことを主張しています。要するに問題の「イシュー度」の低い問題にいくら努力しても無駄だよということです。
世の中には、「問題」がたくさんあります。そして、「問題かもしれない」と考えられていることの中で、本当に解くことに意義がある問題、つまり「バリューのある仕事」はほんの一握りに過ぎないと主張しています。
ほとんどの「問題」は、「イシュ―度」の低い問題であり、いくら努力してみても、最終的なバリューは上がらないのです。つまり、「努力と根性」を捧げても、報われない仕事なのです。これを「犬の道」と言っています。
私自身、努力をして結果が出ない時がよくあるのですがそんな時は「犬の道」に行っているんだなあと思います。反省する瞬間ですね。トホホ。辛いですよ。もちろん。
変数の3つのポイント
変数の見つけ方と3つの注意点について述べたいと思います。
- プロセス分解して言語化するスキル
- 固執しない(バイアスを取り除け)
- 変数を絞る
上記でお伝えした通り「変数」を見つけてそこを改善・レベルアップするのがよりいい結果をだすために必要そうですね。これを見つけるためにどうすればいいか?ということですが、ポイントはプロセスを「分解して言語化する」です。
仕事のプロセスを分解してなぜを数値を使って繰り返す。です。わかりやすい例として
- アポを1日3件取る
- 無料お試しを導入している会社に1週間に1回メールしてフィードバックを聞く
このようにプロセスを分解して数値化することで「変数」を見つけやすくなります。くれぐれも「気合い」「頑張る」というような表現は避けましょう。
このとき「変数」なのか?を判断するとために「データ」として記録分析する必要があることも忘れていけません。
たとえば、弊社マナボックス であれば、マーケティングとしてDMの時期・送付先と返信結果と成約率を記録しています。なぜならば「変数」を逃したくないからです。
この行動が売上につながったんだ!という「変数」(データ)こそ資産なのです。
次に「変数」じゃないものに固執しないという点です。
この書籍では、「会議をやっている時間が「変数である」と勘違い」して長時間の会議をやって仕事をした気になっている人がいるという事例を取りあげています。
これよくありますよね。無駄な会議が多いといわれていますもんね。しかし、「変数」になっているケースは稀でしょう。ほとんどは無駄な会議です。
会議をするにしても「数値化」することで有効になります。改善アイデアを5個出すと瞬間に有効的になるでしょう。
また、「やったことに意味を後付けする」という人間の本質も注意する必要があります。せっかくやったのだから「意味がなかった」とはどうしても思いたくないのですね。
サンクコスト効果と同様ですね。サンクコスト効果とは、すでに支払ったコストに気をとられ、合理的な判断ができなくなってしまう心理効果のことです。合理的にやめるべきなのに「もったいなから続ける」といったことです。サンクコストバイアスとも呼ばれます。
これは「人は感情に基づき行動し、論理で正当化する」というマーケティングでよく使われる言葉とも関連していきます。人間は、感情を正当化するために理由を探すのです。
本当はかっこよくて異性にもてたいから洋服を買った→機能性もいいんだぜ。といった流れです。
これを防止するのはやっぱり自分の心を鬼にして「数値化」することです。
最後の変数を絞るです。
変数を多く設定してしまっても意味がありません。「真の変数」を見つけることが重要です。なぜならば、変数が大きすぎると管理できなくなり目標を設定できなくなるからです。
あやまったことを「変数」としない。「変数」を絞るです。
今日のまとめ
本日は『数値化の鬼』について解説しました。
- なぜ?:数値化しないで感情で判断するとビジネスの目標を達成できないから
- どうやって?:行動を増やす。変数を見つける。絞る。
でした。
感情はとても大事ですがビジネスの世界ではそれを切り離す必要性があります。冷たいようですがこれによって結果的にみんなが幸福になると思っています。
是非数値化することを意識付けしてみてください。違った世界が見えてくるかもです。