こんにちは、すげのです。

まだ、ドラフト段階ですが、ベトナムに関連のある方に速報です🌞

この記事はこんな人のために書いています。
  • ベトナムに駐在員を駐在させている。その場合の個人所得税を会社が負担していて、その金額が気になっている。
  • ベトナムに進出している会社の社長で個人所得税に興味がある
  • 最新のベトナムの個人所得税についてアップデートしたい。

この記事を読んで頂くことで、ベトナムの個人所得税の基礎控除と扶養控除の最新の動向について学ぶことができます。

3月2日の最新のニュース(ベトナム財務省)

基礎控除及び扶養控除の引き上げのニュース

基礎控除と扶養控除の金額が引き上げられる

結論から申し上げますね。

【基礎控除】:9百万ドン(約45,000円)/月➡11百万ドン(約55,000円)/月

【扶養控除】:3.6百万ドン(約18,000円)/月➡4.4百万ドン(約22,000円)

という改正案が出されようです。まだ、案でありますが、適用される可能性は非常に高いようです。

前提として、ベトナムの個人所得税の

  • 基礎控除
  • 扶養控除

についておさえておく必要があります。

それについては、以下の記事が、図解で説明しているので参考になると思います。

参考記事:【図解!】ゼロから理解する「個人所得税の仕組み」日本とベトナムの比較表付き

この改正案は、ベトナムの人にとって、ほとんどの人に影響がある

ベトナム人の給与のボリュームゾーンは、400㌦から1200㌦くらいの印象です。

あくまで私の感覚なのですが……。

つまり、この改正案は、影響が大きいです。当たり前ですね。

例えば、15,000,000(700USD程度)の給与の人がいたとします。そして、お子さん一人。

このケースでは、以下のようなインパクトがあります。(単位:VND)

 

月額給与(A)

基礎控除(B)扶養控除(C)

課税所得(D=A-B-C)

月額の税金

累進課税(5%)

現状

15,000,000

9,000,0003,600,0002,400,000120,000(約600円)
変更後11,000,0004,400,000

-400,000

0

つまり、15,000,000ドンの人は、月額で約600円が手取りで増えます。年間だと7,200円程度ですね。

これは、小さくはないと感じるはずです。

では、現地採用の日本人にとっては?

また、グロスで給与計算している現地採用の方にとっても影響があります。

シュミレーションして見ましょう。

前提条件:給与約25万円(簡便的に50,000,000ドンにします。)(社会保険料等は無視)

現状では?いくらが税金?

以下のようになります。

課税所得は、50,000,000ドンから基礎控除9,000,000ドンを差し引いた41,000,000ドンです。

月額課税所得

累進課税月額所得税
 05,000,000

5%

250,000
5,000,00010,000,000

10%

500,000
10,000,00018,000,000

15%

1,200,000
18,000,00032,000,000

20%

2,800,000
32,000,000

52,000,000

(この例では、課税所得が41,000,000)

9百万ドンが25%

25%2,250,000
 

7,000,000

 

では、改正後(案)は?

課税所得は、50,000,000ドンから基礎控除11,000,000ドンを差し引いた39,000,000ドンです。

月額課税所得

累進課税月額所得税
 05,000,000

5%

250,000
5,000,00010,000,000

10%

500,000
10,000,00018,000,000

15%

1,200,000
18,000,00032,000,000

20%

2,800,000
32,000,000

52,000,000

(この例では、課税所得が39,000,000)

7百万ドンが25%適用

25%1,750,000
 

6,500,000

 

これを比較すると?手取りが増える?

以下のようになります。3万円くらい手取りが増えますかね。

 現状

改正案(2020年1月~)

課税所得

41,000,000ドン39,000,000ドン

所得税(月額)

7,000,000ドン(約35,000円)

 

6,500,000ドン(32,500円)

所得税(年額)

42万39万

駐在員へのインパクトは、会社にある

駐在員の場合、ネット金額の受け取りの保証になっていることがほとんどなので、駐在員様には手取りの影響はないかと思います。

参考記事:海外駐在員、グロスアップ給与計算の仕組み

ただし、会社負担のインパクトはあります。

基本的には最高税率の35%に到達していると思いますので、11百万ドンと9百万ドンの差額2百万ドンに35%を乗じた金額が月額の影響なのかなと思います。

ざくっと計算すると……。年間で、4万2千円(8,400,000VND)程度ですね。

そこまで影響は大きくないかなと。

ただ、そのほかのとばっちり的な影響があるかもしれません

この改正案は2020年1月からの所得により適用される可能性が高いようです。そして、ベトナム財務省は以下のような税収の減少を予想しています。

個人所得税による税収の減少の見積 13%減の10,300billion vnd/年

つまり、515億円の税収が減る。

という事です。

ベトナムの景気がよくなり、全体の税収が増えれば、問題ないのですが、もし、税収が不足したときに外資系の企業に厳しくなる……。と思うのは私だけでしょうか?

やや不安です。

ベトナムの基礎控除の金額の過去の推移と背景

過去の推移も載せておきますね。消費者物価指数CPIの上昇に比例して、これも変わってきていると思います。

年度がやや不明ですが、以下のようになっているようです。(単位:ドン)

 ~20142014~

2020~?

基礎控除

4百万

9百万

11百万

扶養控除(1人あたり)

1.6百万3.6百万4.4百万

ベトナムの成長などとリンクさせて税制を見てみるのも楽しいですよ。

本日は、ベトナムの個人所得税の基礎控除と扶養控除の引き上げについて解説させて頂きました。

あなたが、ベトナムの個人所得税を正しく理解して、ビジネスがうまくいくことを祈っています。個人所得税についての悩みをなるべく減らすというのがビジネスの成功の一つだと思います。

コロナウイルスなどで暗いニュースばかりですが、頑張りましょう!