こんにちは、菅野(すげの)です。

写真をご覧ください。

最初にこのニュースでこの映像を見た時、

「なんだ、これ!?」

って思いました。

正直いけてないですよね。ダサい!っと思いません?

このロボットの役割とは?

ニュース記事によると……。

人口12億人を超えるインドではどこの街でも交通渋滞が凄い。

そのインドの都市インドールで、インド初となるロボットによる交通整理ロボットが2017年6月から導入された。地元の大学Venkteshwar Institute of Technologyがインドール警察の依頼を受けて、2年がかりで200万ルピー(約350万円)かけて開発。

14フィート(約4メートル)のロボットが交通整理とビデオによる監視を行っている。ロボットはその高さから遠くからも見える。ロボットは回転して信号の役割も果たしており、秒数も表示されている。道路のそれぞれの方向の交通整理と確認ができる。リアルタイムに警察のセンターに動画は転送されており、交通違反をした車には罰金の請求書が送られる。

つまり、交通整理するロボットですね。

動画もあります!

イケてない古臭い外見…。果たしてその成果は?

このニュース記事によれば……。

インドール警察のHari Narayan Chari氏は「この取組は大成功。毎日ロボットが道路を監視し、交通整理をしてくれる。今まで警察官(人間)が監視していたが、インドールの街でもっと導入していきたい」とコメント。

地元メディアによると「ロボットを導入したら普通の信号よりも、みんなが信号を守るようになった」とのこと。

だったようです。

意外ですよね!

効果は、抜群だったようです。

私自身、インドには3年ほど暮らしていました。

交通事情、それはもう、ひどいです。混沌としています。メチャクチャです。

信号無視は当たりまえです。

逆走も日常茶飯事です。

高速道路でも、逆走してますもんね。高速道路を人が歩いて横断してます。

ベンツだろうがカイエンだろうが、車はベコベコです。凹みまくりです。

(車がベコベコ以外は、ベトナムも同じような状況かもしれません。)

なぜ、このロボットに効果があったのか?

このニュースを見た時に、なぜ、効果があったのか?すごく興味がわきました。

なぜなら、上記の通り、インドの交通事情は、メチャクチャだからです。

うん、なんでこんなに効果があったのだろうか?

私なりに考察してみました。

1.認知的不協和

もう一度、ロボットの姿を見てください!

なんか変ですよね。かっこ悪いですし、正直、クオリティ低いです。

でも、「えっ!なんだこれ!」ズコ!って感じたのではないでしょうか?

街の中で、二度見する感じです。

認知的不協和理論とは、社会心理学の用語です。この理論の提唱者である、社会心理学者フェスティンガーによれば、

「人は、知識、意見、信念などの認知要素のうちの二つが心理学的に不一致、矛盾しているとき、緊張を経験する。そのとき、人はその緊張を低減させて自己の考えを適応させようとする。」のだそうです。

だそうです。

よくわかんないですね。

もう少し簡単に言うと、

あなたの心のバランスを崩すほどのインパクトがあるかどうか?

という風に理解してもらえるとよろしいかと思います。それが、認知的不協和です。

「あれ、なんか変じゃね!?おかしいぞ。」

このロボットは、認知的不協和の要素、十分持ち合わせていますね。

さすがにインドの方も、この姿に心のバランスが崩れたのではないでしょうか?

2.「見られる化」という効果

人は、見られていると感じると悪いことが出来ないものです。

例えば、

コンビニに監視カメラがあると、盗難はできないですよね。

この交通整理ロボットには顔があります。

そして、目があります。

そのため、車を運転している人は、信号無視を「見られている」という風に感じるのだと思います。

その結果、信号無視が減ったのでしょう。

(人間の警察官が監視していた時には、最悪お金を払えばなんとかなると思っていたのかもしれませんね。また、常時いるわけではないので見られる化の効果も弱かったのでしょう。)

海外不正防止にも役立つ?

海外不正が生じる一番の原因の一つは、

不正を働こうとしている人が「見られていない、どうせ知らない」という風に感じるからです。

上記に記載した通り、不正行為を画策する意図が芽生えた時に「見られる化」という状況にあれば、

「あっ見られている。気になる。」ことになります。

それが、人の不正を実行するという気持ちをくじけさせる方向に働くのです。

海外子会社管理で言うと、、、。

・日本人経営者の会社の理解の深度

(海外の人が、この日本人何も知らないなと思われると大変危険です。)

・月次決算の効果的な分析

(異常な数値を見られているという状況にあれば、不正防止になります。)

・業務報告、日報

(業務を報告するので見られているという気持ちになりますね。)

などなどです。

インドの「交通整理と監視ロボット」と同様に、

●心のバランスを崩すほどのインパクト

●見られる化

この2つの要素は、海外子会社管理という点で非常に重要なヒントになるのではないかと思います。

特に2つめの見られる化というのは、不正防止という点で非常に重要だということを身を持って実感しています。

海外子会社不正は、時に巨額な損失となることもあります。そんな経験は、誰でも避けたいですよね。

あなたの会社が、不正を事前に防止することにより大きな損失を防止することを祈っています。

それでは、また!