こんにちは、すげのです。

この記事はこんな人のために書いています。
  • ベトナムに現地進出しており現地社長をしている。
  • ベトナムから日本本社やEPEへの売上がある。
  • 輸出サービスについてVATが0%か10%か悩むことがある。

こんなお悩みを解決していきます。

この内容をおさえて頂ければ、ベトナムでのお悩みがスッキリしますよ。

ベトナムの付加価値税(VAT)は、いわゆる、間接税です。

参考記事:>>ベトナム付加価値税(VAT) の仕組みを脳みそに焼き付ける!

よくある質問、ベトナムの輸出サービスとは?

サービスの輸出とは、そのサービスがベトナムの外で、”消費”された場合を意味します。

  • 売り手:ベトナムの会社
  • サービスの消費:ベトナム以外

この場合、輸出サービスとなり、VATが0%となります。例えば、1,000USDのサービスであれば、1,000+0です。

1,000+100ではないという事ですね。

VATが0%になるためのポイントは、サービスの消費した場所

図にしてイメージしてみましょう!

こんな感じかと思います。クリックすると大きくなります。

 

ベトナムの根拠条文を確認しよう!

Circular 219/2013 / TT-BTCという通達に記載されています

Article 9. Tax rate of 0%

  1. 0% VAT is applied to exported goods and services; construction and installation overseas and in free trade zones; international transport; exported goods and services that are not subject to VAT, except for the cases in Clause 3 of this Article, in which 0% VAT is not applied.

Exported goods and services are those that are sold to overseas organizations and individuals and are consumed outside Vietnam, sold to the entities in free trade zones, or sold to foreign customers as prescribed by law.

b) Exported services include the services directly provided for overseas organizations and individuals and are consumed overseas; the services provided for the entities in free trade zones and consumed within the free trade zones.

引用元:Circular 219/2013 / TT-BTC

輸出サービスとは、海外の組織や個人に直接提供され、海外で消費されるサービス、自由貿易区内の事業体に提供され、自由貿易区内で消費されるサービスを含む。

と記載されていますね。

よくあるベトナムにおける典型的なサービス輸出とは?

いわゆる、オフショアやBPO

これが典型例かと思います。

その他、EPE内での工場レンタルなども輸出サービスです。

ちょくちょくある悩ましい問題。税務上のリスク

税務上のリスクとは……。

それって、サービスの消費が、ベトナムじゃないの?

じゃあ、10%のVATをとらないとだめでしょ。

このリスクですね。これは大きいです。ちょっとイメージしてみましょう。

サービス輸出だと思っていて、ずっと0%で売上計上していた。以下みたいな感じです。

 

2016年

2017年2018年
売上

1千万円

2千万円3千万円

その後に税務調査…。

販売契約書等を見ると、「なんかこれって、ベトナムでサービス消費なんじゃないの?」

となったとします。そうすると以下のようになります。

 

2016年

2017年2018年
売上

1千万円

2千万円3千万円
VAT

100万円

200万円300万円

これ?

誰が払うの?

ってなるんですが、当然、お客様には言えないので、売り手のVNの会社が罰金等を含め負担します。

上記の例だと、合計600万円+罰金等ですね。

大きいですよね。

ベトナム、サービス輸出として、0%を適用するには?

十分な書類が必要です。形式面ですね。

ベトナム国内で納税者であるサービス提供者は、ベトナム国外で提供されたサービスであることを証明する書類を提出しないけません。

例えば、最終のお客様が日本の会社であることを明記するなどです。

  • ・契約書
  • ・入金証明
  • ・その他(PO(発注書)など)

インターネットが発達しすぎて、正直どこで消費したかわからない。

デジタルシフトの流れで、正直、場所って関係なくなっています。つまり、サービスの消費がどこか?ってわかりにくいのです。

ベトナムではこんなニュースもあるようです。サービスの消費が国外であることを証明するのは難しいっていう記事です(2022年現在、削除されてしまっていますね)

‘Consumption services outside Vietnam’ services enjoying 0% VAT

確かに、これだけインターネットが発達しすぎていると、どこで、サービスを消費したか?というのはわかりにくいのです。

例えば、広告活動の支援を日本の会社にしていたとします。これ、一見すると、サービスの消費が、”日本”にも見えますよね。しかしながら、その会社がオンラインなどを使っている場合、世界中の人が利用できますから、サービスの消費が”日本”って言えなくなるのです。

もしサービス輸出で0%を適用するのであれば

これは、販売契約書やコマーシャルインボイス、PO、検収書についての内容を留意する必要があります。なぜならば、上記で記載した通り曖昧性が生じるからです。

VAT10%を適用した場合

例えば、サービスの消費が曖昧で、10%を乗せる場合には、売り手は、VATインボイスを発行しないといけません。

そして、10%が適用された場合、これについては、日本側で費用になります。(仮払い税金としてBSにはのらない)例えば、100+10で110を日本側に請求した場合、110が日本側でコストとなります。ここはあらかじめ日本側と確認するといいでしょう!

★本日のまとめ★

サービス輸出というのがあります。

その場合、VATは0%にできます。

しかし、条件があります。それは、サービスの消費です。これが日本などの海外であることが必要

そうしないと、あとで覆さられる可能性があります。

本日は、ベトナムVATの論点である、サービス輸出についての税率の適用について解説しました。

あなたのが会社が、ベトナムのサービス輸出のVATにきちんと理解して、不測の損害を被らないことを祈っていますね。

それではまた!