この記事はこんな人のために書いています。
  • ベトナム子会社の会計・経理に携わっている。
  • ベトナムで社長をやっている。管理系の職種についている。
  • ベトナムの勘定科目の従業員未払金(334)とその他未払金(338)について詳しく知りたい

参考記事:>>ベトナムの勘定科目コードを覚える方法 2つのコツと8つの疑問点 【保存版!】

334と338はどんな勘定科目?

334は、従業員に対する未払金『未払給与』です。

給与が発生して、支払いが未了の場合にはこの勘定を利用します。

Circular No. 200/2014/TT-BTCでは、334及び338は、以下のように勘定科目コードが定められています。

勘定コード英語日本語
334

Payables to employees

従業員未払金
 3341

Payables to staff

スタッフへの未払金
3348

Payables to other employees

その他未払金

338は以下の通りですが、この記事では、以下でハイライトした勘定のみ説明します。334と関連するからです。

勘定コード英語日本語
338Other payables

その他未払⾦

 

3381

Surplus of assets awaiting resolution

過剰資産仮勘定
 

3382

Trade union fees

労働組合費に関する債務
 

3383

Social insurance

社会保険料に関する債務

 

3384

Health insurance

健康保険料に関する債務
 

3385

Payables concerning equitization

株式化未払金
 

3386

Unemployment insurance

失業保険料に関する債務
 

3387

Unearned revenue

前受収益
 

3388

Other payables

その他未払金

 

「未払給与」「その他未払金」には具体的にどんな取引?よくある取引の仕訳のパターンも解説!

では、未払給与には具体的にどのような取引が記録されるのでしょうか?詳しくみていきましょう。やはり、具体的な場面をイメージすることが大事です。

なぜならば、財務諸表は、ビジネス活動→取引→仕訳の積み上げだからです。

参考記事:>>会計とは? 財務諸表が作成され報告される流れを図解で徹底解説!

>>【徹底解説】BS(貸借対照表)とPL(損益計算書)はこれで動く!会計仕訳を2つのグループと10つのパターンと図解でおさえればスッキリ!

給与が発生したら総額で334

給与が発生した場合で、未払の場合はこの勘定を使います。

ベトナムの場合は、月末締め翌月10日までの支払いの場合の会社が多いです。

従業員負担と会社負担の強制社会保険料は338

そして総額の金額をいったん計上した上で、源泉の金額(ベトナム強制保険料等)にという処理をします。

ちなみに会社負担の社会保険料は、約20%となります。そのため、500ドルの人を採用したとすると600ドルが会社負担となります。労働組合費用も同様です。

給与科目(人件費)ですので、頻度は高い項目です。

社会保険料から、従業員への保険料をいったん会社が預かった

例えば、保険に加入しているあなたの会社の従業員が産休に入った場合、保険料を受け取ることができます。この場合、社会保険庁から、産休にかかる手当がいったん、あなたの会社に入金されることになります。

その場合に、3388を利用します。

 

借方

金額貸方金額

保険庁などから入金された

1121

Bank

1,000

3388

Other payable

1,000

従業員に支払った

33881,000

1121

Bank

1,000

 

・月末となったため、給与を計算を実施して未払を計上した。

 

・そのうち従業員負担分を振り替えた(338✖︎)

・会社負担分の強制社会保険料(社会保険・健康保険・失業保険)を計上した。

本日は、ベトナムの勘定科目である未払給与およびその他未払金(強制社会保険料)について解説させていただきました。

勘定科目を深く理解すると言うことはとても大事ですよ。なぜならば、財務諸表は、あなたの健康診断書であり、通信簿であるからです。

財務諸表から、ビジネス活動をイメージするとなにか新しい発見があるはずですよ!是非、試してみてください。