こんにちは、マナボックスのすげのです。
- ベトナム子会社の会計・経理に携わっている。
- ベトナムで社長をやっている。管理系の職種についている。
- ベトナムの勘定科目の未払費用について詳しく知りたい。
参考記事:【図解あり】ベトナムの勘定科目コードを徹底解説!覚えるための2つのコツと9つの疑問点【保存版】
この記事のもくじ
335とはどんな勘定科目?
未払費用です。
Circular No. 200/2014/TT-BTCでは、上記の科目は、以下のように勘定科目コードが定められています。
勘定コード | 英語 | 日本語 | |
335 | Accrued expenses | 未払費用 |
335の具体的な勘定科目の内容は?よくある取引の仕訳のパターンも解説!
未払費用とはいったいなんでしょう?
これについてさらに深く踏み込んでみます。より取引をイメージできることが大事です!
なぜならば、財務諸表は、「ビジネス活動→取引→仕訳の積み重ね」だからです。財務諸表にはあなたの会社のストーリーがつまっているのです。
参考記事:会計とは? 財務諸表が作成され報告される流れを図解で徹底解説!
レッドインボイス(公式領収書)が届いていないことによって税務上確定していない債務
の場合には、こちらと使います。ベトナムの会計のルールを見ると、もっとあるのですが、基本的にはこれだけでいいと思います。
ベトナムでは、レッドインボイスがとても重要な書類です。損金参入の要件だからです。
ですので、この勘定に金額あれば、請求書をまだ受け取っていないんだな。って理解してください。
英語名だと、Accrued expensesという名称です。発生という意味ですね。なので、ホアドンがなくても発生している費用であればこの勘定をつかって費用を認識することになります。
未払金・未払費用の意味とは?
日本だと、未払費用は未払金とどう違うのか?という議論がよく生じます。結論は、以下の通りとなります。
未払費用:継続的なサービスを受けているが、まだ、支払っていない
未払金:単発的なサービス・物を購入し完了したが、まだ、支払っていない
未払費用とは、「一定の契約に従い、継続して役務の提供を受ける場合、すでに提供された役務に対していまだその対価の支払が終わらないものをいう」とあります。
具体例を見てみましょう。家賃、給料、保険料、支払利息などの取引で役務の提供を受けているが支払いが終わっていないものです。
ポイントは、サービスの提供を継続的に受け、かつ、契約の全てが完了していないという点です。
例えば、アパートの半年の契約をしたとします。10月からです。12月まで過ぎたら、10月から12月を費用として計上します。
これに対して、未払金は、例えば、固定資産が納入、据付、試運転を経て検収が終了した状況で債務が確定するのでその金額を言います。
両者の違いを見極めるポイントがあります。
未払費用と異なり、単発(非継続的)の取引が対象となり、かつ契約上の取引や期間が終了している点です。
表にすると以下のように整理できると思います。
未払費用 | 未払金 | |
継続的な役務提供(サービス)契約に基づくサービスを受けている。継続している。でも完了してない | ○ 例:「未払家賃」「未払手数料」「未払利息」 | ✖︎ |
サービス(役務提供)が完了し債務が確定 | ✖︎ | ○ 例:電気・水道・ガス料金でサービスが完了した場合 |
非継続的な役務提供・物の提供 | ✖︎ | ○ 固定資産や事務消耗品費用のうち後払いで購入した場合の債務 |
図解すると以下の通りです。
ベトナムの場合の未払費用。日本との違いとは?
もう一度、ベトナムの未払費用の定義を確認してみましょう。
費用が発生しているけれど、レッドインボイスが未入手の場合に使う勘定科目でした。
レッドインボイスというのが、なんともベトナムらしいですね。
日本の場合と比較すると以下のようになると思います。
ベトナムの未払費用 | 日本の未払費用 | |
定義 | 費用が発生しているけれど、レッドインボイスを未入手の場合 | 一定の契約に従い、継続して役務の提供を受ける場合、すでに提供された役務に対していまだその対価の支払が終わらないもの |
図解で解説すると以下のようになります。
また、以下のように日本との違いの図解することができます。
よくある取引の仕訳のパターン
仕訳もおさえましょう。仕訳のパターンについては、以下にまとめております。
>>【徹底解説】BS(貸借対照表)とPL(損益計算書)はこれで動く!会計仕訳を2つのグループと10つのパターンと図解でおさえればスッキリ!
・電気代が発生しているがホアドンが届かない。
・後日、ホアドンが届いた
未払費用を未払金ふ振替ます。金額に相違があれば差額は損益計算書に影響します。
本日は、ベトナムの勘定科目である未払費用について解説させていただきました。日本との取り扱いと違いがありますね。
勘定科目を深く理解することはとても大事ですよ。なぜならば、財務諸表は、あなたの健康診断書であり、通信簿であるからです。
財務諸表から、ビジネス活動をイメージするとなにか新しい発見があります。是非、試してみてください。