こんにちは、公認会計士のすげのです。

この記事はこんな人のために書いています。
  • ベトナム子会社の会計・経理に携わっている。
  • ベトナムで社長をやっている。管理系の職種についている。
  • ベトナムの勘定科目の売上控除の勘定科目について詳しく知りたい。

参考記事:【図解あり】ベトナムの勘定科目コードを徹底解説!覚えるための2つのコツと9つの疑問点【保存版】

521とはどんな勘定科目?

売上から控除される科目です。値引き返品が代表的な勘定です。

Circular No. 200/2014/TT-BTCでは、上記の科目は、以下のように勘定科目コードが定められています。

勘定コード英語日本語
521Revenue deductions売上控除
 

5211

Trade discounts

売上値引き

5212

Sales returns

売上返品
 

5213

Sales rebates

売上値引

 

521の具体的な勘定科目の内容は?3つあります。よくある取引の仕訳のパターンも解説!

売上から控除項目については、3つに細分化されていました。これについて、詳しく見ていきましょう。

5211 割戻

いわゆる「割戻」のことだと思われます。これは、商品やサービスの量が多いことを条件に、その代金を安くすることをいいます。リベートやボリュームディスカウントなどとも言います。

5212 売上高の返品

買い手が、売り手に製品、商品、サービスを返品した場合に記録するために使用されます。

売上勘定を使わないのが特徴的ですね。

5213 値引き

通達をそのまま読むと、わかりにくいですが、いわゆる、値引きだと思われます。「値引」とは、商品、サービスの質に問題がある場合に、その代金を下げることです。

たとえば、不良品や破損品、内容物の不足などが一般的に該当します。

このアカウントは、期間中に製品、商品を販売し、サービスを提供する際に請求書に記録されていない品質の悪い製品、商品、提供されたサービスであるため、購入者のための販売引当金を記録するために使用されます。

売上控除系について日本の会計と比較してみる

日本の会計基準と比較してみました。以下の視点で比較します。

返品について

日本の場合、返品があった場合には、売上を取り消す会計処理をします。特に返品という勘定を独立して作っていません。

ベトナムは、個別の勘定科目5212がありましたね。

値引き等について

日本の場合、一般的に売上勘定を控除する科目として「値引」「割引」「割戻」を使います。

簡単に説明すると、以下のようになります。

勘定科目 

説明

「値引」

不良品や破損品、内容物の不足があった場合の調整

例: 1000だけど、不良だったから900にした

「割引」

これは、支払期限以前に支払いをしてくれた場合に、商品、サービスの代金を安くすることです。

支払いが早まった期間に応じて、その利息相当分を割り引くわけです。

例:3ヶ月に回収の売掛金1,200、1ヶ月後に入金なら1,100でいい。この場合の100

「割戻」

これは、商品やサービスの量が多いことを条件に、その代金を安くすることです。リベートやボリュームディスカウントとも言います。

例:10,000個まとめて購入なら1個100の商品を安くします。1,000,000から900,000になった場合の100,000

ベトナムとの勘定と比較しましょう。

日本の勘定科目 

ベトナム

返品の場合は、直接売上を取り消し

5212

「値引」

5213

「割引」

なし

「割戻」

5211

割引がないという点が特徴的です。想定していないのかもしれませんね。

よくある売上から控除の取引の仕訳のパターン

売上から控除の仕訳もおさえましょう。なお仕訳のパターンについては、以下にまとめております。

>>【徹底解説】BS(貸借対照表)とPL(損益計算書)はこれで動く!会計仕訳を2つのグループと10つのパターンと図解でおさえればスッキリ!

・値引等をした

売上値引き ** 売掛金**

収益が減少するので、若干違いますが、以下のパターンになります。

本日は、ベトナムの勘定科目である売上から控除する勘定科目について解説させていただきました。

勘定科目を深く理解することはとても大事です!とういのは、財務諸表は、あなたの会社の健康診断書であり、通信簿であるからです。

財務諸表から、ビジネス活動をイメージするとなにか新しい発見があります。是非、試してみてください!