こんにちは、公認会計士の菅野です。

「ベトナムの勘定科目がわからない」「ややこしい?国で定められている?」「カスタマイズできるの?」

そんなお悩みはありませんか?

この記事はこんな人のために書いています。
ベトナム進出を考えている。進出したばかり。 出資者変更により、ローカル企業から外資系(FDI)に変更になった。 ベトナム人の経営者の友人が多く、その情報が多い。日本人と行っていることが違うと悩む。

本日は、ベトナムの勘定科目についてカスタマイズする場合のコツを整理してお伝えしたいと思います。

ベトナムで数百社の決算書をレビューしたり、仕訳標準化というサービスをしているので、共通点に気がつきました。

この記事を読んでいただければ、誤った勘定科目の設定を防止することができます。財務諸表の数値を見てもよくわかならない。といったお悩みを解決できますよ。

財務諸表からあなたの会社の実態を読み取ることができるので、経営管理のレベルも向上が期待できます。

結論:ベトナムでは、4つの視点で子勘定をカスタマイズする

結論から申し上げますね。

  • 通貨別(国)
  • 銀行別
  • 長期、短期
  • ネイチャーを細分化(販売費、一般管理費、製造間接費)

この4つの視点です。この4つの視点で、ベトナムの勘定科目を、カスタマイズします。具体的には子供の勘定を作成します。

なぜ、ベトナムでは勘定科目のカスタマイズが必要なのか?

カスタマイズって聞いて、ピンとこない人もいるかと思います。そこで、前提条件を確認しましょう。

ベトナムでは、会計の勘定科目があらかじめ国により設定されています。

しかし、このデフォルトの勘定科目では、不十分な場合がほとんどです。つまり、抽象的すぎるんですね。

デフォルトの勘定科目では、会社の実態が読み取れません。管理もできません。

>>【勘定科目の中身を理解する】超実践的!海外子会社の社長が“数値感覚”ファイナンシャルセンスをマスターするための3つのポイント

そこで、勘定科目の設定、カスタマイズが必要となるのですね。

ベトナム 勘定科目設定を4つのカスタマイズって具体的にどういうこと?

以下の4つの視点でしたね。

  • 通貨別(国内か?海外か?)
  • 銀行別
  • 長期?短期?
  • ネイチャーを深堀して細分化(販売費、一般管理費、製造間接費)

1) 通貨別(ベトナム国内か?海外か?)

ベトナム国内と海外にわけると有用です。

例えば、売掛金は、131しか定められていません。これだと抽象的すぎるんですね。

なので、国内向けと海外向けに細分化する必要があります。以下のようなイメージです。

1311:ベトナム国内(VND)

1312:海外(USDなど)

1313:海外(JPYなど)

2) 銀行別でサブコードを設定

銀行残高について管理です。

銀行口座の勘定科目は、112です。デフォルトは、通貨別で細分化されています。ドンか外貨か?です。

実務上よく利用されるのは、銀行別にサブコードを作ってしまうという方法です。

例えば、以下のような感じです。

  • 11211 三菱東京UFJ(VND)
  • 11212 Vetin bank(VND)
  • 11221 三菱東京UFJ(USD)
  • 11222 Vetin bank(USD)

後述のよう仕入先のように多くはなりません。通常2銀行程度で通貨もVND、USD、JPYです。そのため勘定を追加することによる管理でも煩雑にはなりません。

3) 長期?短期?

長期?短期?と言う視点で管理する点です。

長期とは、例えば、前払費用のうち、貸借対照表日の翌日から起算して1年を超える期間を経て費用となるものです。

具体例として、2年の賃貸契約してすべて払った場合(仮に2,000)は、1年を超える部分がでてきます。この場合、1,000は、1年を超えてから費用化されますよね。

または、決済(入金・支払い)の期限が1年を超える場合もそうです。

実務上よくサブコードを加えるケースは以下のケースかなと思います。

141:前渡金

242:前払費用

3411: 借入金

4) ネイチャーを細分化する。(販売費・一般管理費・製造間接費)

そもそもデフォルトの勘定科目がいけてない場合です。

もう少し具体的にいうと、

そもそも、その勘定科目の数じゃ足りないでしょ。

という場合です。なので、増やさないと、管理できないのです。

これについては、以下のリンクにて詳細に解説しています。

>>ベトナムの勘定642(一般管理費)について徹底解説!【勘定科目解説シリーズ】

>>ベトナム勘定科目 627について徹底解説!問題点とその解決方法を解決します。

絶対にしてはいけない!誤った勘定科目の設定方法

本日は、ベトナムの勘定科目について子勘定を付け加えるコツ4つについて解説させて頂きました。

ここで、絶対にしてはいけない、勘定科目の子勘定の設定についてお伝えします。

それは、

得意先や仕入れ先、部門別でサブコードを定めてしまうこと

です。これをやってしまうと恐ろしいことになります。煩雑になりすぎて管理不能。地獄…。

得意先や仕入先は、通常会計ソフトにそれを管理するファンクションがあるはずです。また、部門も同様です。

参考記事:>>海外子会社、ベトナムでの勘定科目・コードの設定のコツをわかりやすく解説 

勘定科目設定の支援

マナボックスベトナムでは、ベトナム勘定科目の設定について支援しています。10年以上の海外子会社管理の経験を深く持つ日本公認会計士とベトナム人公認会計士及び税理士が中心となり支援致します。会計ソフト導入の支援もしております。

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本日のまとめ

  • ベトナムでは勘定科目が予めるルールに決まっている。
  • メリットもあるが、デフォルトでは、不完全。
  • カスタマイズにより子勘定を追加する必要がある。
  • ポイントは4つ(通貨、長期か短期か、銀行別、ネイチャー)

勘定科目を正しく設定することはとても大事です。なぜならば、効果的な経営管理を実施するには、財務諸表からあなたの会社の実態を正しく読み取らないといけないからです。

是非試して見てくださいね!