こんにちは、マナボックスの菅野です。

本日は、ベトナムにおける現預金関係の仕訳のパターンについてデザインしたいと思います。

この記事はこんな人のために書いています。
  • ベトナムで管理部門担当でおり、会計から経営したいと思っている。
  • 現金及び現金関係の仕訳のパターンを整理したい。仕訳を標準化して効率化したい。
  • 経理担当者が、忙しそうにしているけど、業務が見えない。

現金及び現預金の取引を整理してグルーピング

以下のように整理するとわかりやすいです。

  1. 支払い
  2. 入金
  3. 振替
  4. 為替評価

こんな風にも整理できます。

  • お金の動きあり
  • なし

表にまとめるとこのようになります。

グループ

内容
実際のお金の動きあり

支払い

入金

実際のお金の増減なし

振替

為替評価損益

現預金・現金で支払いのパターン

現預金(銀行)での支払い

実務上は、銀行送金がメインとなります。

  • 買掛金の支払い
  • 直接の費用の支払い
  • 人件費関係の支払い(社会保険も含む)
  • 税金の支払い
  • 借入金の返済
  • 前渡金を支払う
  • 配当金の送金

この7つのパターンが基本です。その中でもよくあるのは、買掛金の支払いと人件費の支払いです。

現金での支払い

現金での支払いもあります。

  • 買掛金の支払い
  • 直接の費用の支払い
  • 人件費関係の支払い(社会保険も含む)
  • 前渡金(従業員へなど)
  • 銀行への預け入れ

この5つのパターンが基本です。細かな支払いなどについては、現金を使うことがあります。

ただ、現金を利用することは、あまりお勧めしません。なぜならば、不正のリスクが高いからです。

現金と現預金の取引のパターンについて表にするとわかりやすいと思います。

 現預金

現金

備考

買掛金

頻度高い

直接の支払い

 

人件費の支払い

基本ない

頻度高い

税金の支払い

 

借入金の返済

✖︎ 

前渡金

必要に応じて

銀行へ預け入れ

✖︎ 

配当金の送金

✖︎ 

現預金・現金で入金のパターン

次に入金です。

こちらも経理業務でもメインの業務になります。お金の回収は、とても重要です。

>>【黒字倒産とは?】勘定あって銭足らず。予兆に気がつく4つの視点

現預金(銀行)での入金

実務上は、支払いと同様に銀行送金の入金がメインとなります。

  • 売掛金の回収
  • 未収入金の回収
  • 利息の入金
  • 借入金や資本金の入金
  • その他収入の未収入金の回収
  • その他(社会保険庁から従業員のための給付金の入金など)

このパターンが基本です。通常は、売掛金の回収がメインになります。

現金での入金

現金での入金です。

  • 売掛金の回収
  • 銀行預金からの現金引き落とし
  • 未収入金の回収
  • 前渡金の精算

実務上よくあるのは、銀行預金からの現金引き落としです。現金でしか取引できない場合に備えて現金を引き落とすことがあるからです。ただ、前述の通り、現金での取引はなるべくゼロにしたほうがいいです。

こちらも表にしましょう。

 現預金

現金

備考

売掛金の回収

営業活動であり、頻度高い

直接の回収

 

利息の回収

✖︎

 

借入金や資本金の入金

✖︎ 

未収入金の回収

 

前渡金の精算

必要に応じて

銀行預金からの現金引き落とし

✖︎ 

現預金・現金での振替のパターン

続いて、振替のパターンです。

振替とは、銀行間の取引や現金勘定内での変更のことを言います。具体的に見ていきましょう。

現預金の口座間で振替

銀行間の取引です。

  • 入金専用口座から経常(支払い)口座に振り替えた
  • 定期預金へ預け入れた

企業は、複数の銀行を保有している場合や複数の通貨を保有している場合があります。

例えば、三菱東京UFJ銀行とBIDV銀行、Vietin銀行、TPbankなど。別な視点の役割別だと以下のようになることが一般的です。

  • 資本金口座
  • 入金口座(売上の回収用)
  • 経常口座(一般管理費の支払いや給与の支払い)

また、銀行預金の残高に余裕がある時には、定期預金へ預け入れることもあります。ベトナムの定期預金の利息は日本と比べて高いですので、効率的な運用方法だと言えます。

現金での振替

現金内での振替です。

  • 通貨の交換

円からVNDへ換金などです。

現預金・現金での評価のパターン

最後は、評価のパターンです。これは具体的に外貨(USDまたはJPY)をベトナムドンに評価する時です。

為替換算による評価

為替換算による評価損益は、以下によります。

  • 決済(支払いや入金)による実現損益
  • 期末の評価による評価損益

例えば、外貨建ての買掛金や借入金の支払い時には、発生時と支払い時の為替レートが異なります。これにより、損益が発生します。益の場合もあれば、損の場合もあります。

また、外貨建て(例えば、USDやベトナムドン)の現預金については、ベトナムドンに期末に評価することになります。その際も期末時の為替レートによって、外貨建ての評価額が変更することになります。

この際には仕訳が必要になります。

本日は、現預金・現金の仕訳のパターンについて解説させて頂きました。こうやって整理するとスッキリすると思います。

複雑に見えるようなことを抽象化・モデル化することでシンプルにすると業務効率化します。是非、あなたの会社でも試してみてくださいね。