どうも、公認会計士のすげのです。

本日は、GDPについてわかりやすく解説して行きたいと思います。

よくニュースで見ますよね。なんとなくはわかるけど、意味合いとか理解していないと言う人がいるんじゃないかなと思います。

日本やベトナムの経済を評価するにあたってとても重要になります。そのため、是非、基本はおさえて行きましょう。加えて、今回は「管理会計」とリンクさせて理解を深めることが目的です。

この記事はこんな人のために書いています。

GDPについてわかりやすく理解したい。会社の社長をしており管理会計の知識も深めたい。

GDPを噛み砕いて言語化すると?

噛み砕いてわかりやすく表現するとすると、

「国が1年で儲けたお金」「国が1年でどれだけ儲けたのか」

ということです。

もう少しだけ難しい専門的な言葉を使うと、どれだけ「付加価値」を生み出したか?という説明もできます。

なので、これが大きいと言うことは、国が豊かとかそう言ったイメージになります。実際にGDPで上位の国は、先進国であったりしますよね。現時点での1位はアメリカで、2位は、中国です。

本来の意味は以下の通りです。

GDPは「Gross(グロス)、Domestic(ドメスティック)、Product(プロダクト)」の頭文字です。

分解するともう少しわかりやすくするため分解してみましょう。

  • Gross(グロス):「総」「合計」
  • Domestic(ドメスティック):「国内」
  • Product(プロダクト)は「生産されたもの」

そのため、GDPは「国内総生産(こくないそうせいさん)」と言われます。

具体的には?GDPってどんな構成?

GDPには、以下の構成要素があります。

①民需(民間)

②政府支出+貿易収支(国)

という構成要素です。

  • 民需:消費と投資
    消費=生活者が行った支出
    投資=企業が行った支出
  • 貿易収支:「輸出額-輸入額」
  • 政府支出:政府が使ったお金

です。

民需の消費が、なぜGDPなのか?

民需で、なぜ、消費?と思う方もいるかもしれません。生み出した価値じゃないの?って違和感を感じる人もいると思います。

これについては、お金をもらう側をイメージするとわかりやすいです。

たとえば、500円のコーヒーを買って消費するということは、500円の売上があがるということです。お金をだすということはお金をもらう人(儲かる人)がいるということだと考えるとわかりやすいかと思います。

事例と図解でもう少し理解を深めましょう。

  • 農家が「小麦」を生産します。
  • 次に、製粉業者はこれを仕入れて「小麦粉」を生産します。
  • パン製造業 者はこれを仕入れて「パン」を生産します。
  • スーパーはこれを仕入れて最終的に消費者に「おいしいパン」を販売します。

農家以外は、それぞれの販売額にそれまでの仕入れのためのお金が含まれていますよね。

販売額を単 に足し合わせると、ダブりが生じてしまうのです。このため、各段階での事業者の販売額から仕入れ額を引いたもの、

つまり

各事業者の「付加価値額」だけを合計します。

図解すると以下のようになります。

付加価値がキーです。これは管理会計でも重要な概念でしたよね。

>>付加価値とは?積み上げが大事!付加価値をわかりやすく理解する方法【図解あり】

勘のいい人はお気づきかもしれません。買い控えなどの消費が落ち込めば、GDPは減少しますよね。

新規の投資額等も含める

消費だけでなく、企業の“投資額”もGDPに含まれます。

通常、企業は原材料の購入だけでなく、設備や機械も購入しますよね。

上の例で言うと

  • 農家のトラクター
  • 製粉業者の工場や製粉機、
  • パン製造業者の工場やパンを焼く設備
  • デパートの建物への投資

といったところです。

これらの設備や機械は、長年にわたって利用されます。これらの投資は「民間企業設備投資」という企業の需要として、GDPとして計算されます。

ここで、会計の知識がある人は、付加価値と二重に計上されるのでは?という疑問が浮かぶかもしれません。

しかし、投資額と減価償却費を分けて考えれば理解できます。減価償却費は、上記の“消費”に含まれます。

会社の3つの活動と関連させていいかもしれません。3つの活動とは以下のことです。

お金を集める(財務活動)

投資する(投資活動)

儲ける(営業活動

もう少し突っ込むと、設備投資に加えて、住宅投資や在庫の増加も含まれます

グローバル展開!輸出入もします!

国内だけでなく、輸出や輸入もしますよね。これもGDPを形成します。

財貨・サービスの純輸出=国の輸出額から輸入額を差し引いた総額

最初に申し上げたGDPの定義を思い出してみましょう。

国の儲けでしたね。

なので、これについてもはイメージしやすいかと思います。

政府がなければ国は維持も成長もできない。

国内の経済組織としては、「政府」が存在します。

政府も、消費、投資、在庫への支出を行います。 例えば、国が発注する公共工事などです。

政府は、「公的サービス」の生産者なんだと考えることができます。。政府による 消費、「政府最終消費支出」といいます。具体的な額は、政府サービスを提供するのにかかったコストを計算するようです。

ここはまあなんとなく、政府でいくらくらい使ってんだな。というイメージでいいと思います。

リアルに感じるために自分ごと化してGDPの理解を深めよう。

GDPについてなんとなく理解できたかなと思います。後は、自分事化して、よりリアルに感じることが重要です。

例えば、現在の日本のGDPは、500兆円くらいだと言われています。

金額が、デカすぎるんですよね。おそらくピンとこないのではないでしょうか?

一人当たりにしてみる

一人当たりGDPに換算すると、よりその指標がリアルに感じることができます。

そうすると以下のような感じです。

日本の一人当たりGDPは、約420万円

こうすると、よりピンとくると思います。日本人の平均年収の金額と近似しますよね。

ちなみに、日本は1988年は、世界2位でした。しかし、現在では、26位にまで落ちてしまいました。失われた30年とか言われていますが、要するに成長できなかったということがわかります。

比較して分析してみる

次に比較です。

これは、

  • 成長率(過去との比較)
  • 他国との比較(他者との比較)

という観点が有効です。

これには、Googleが提供しているツールが有効です。

Google Public data analysis

これを使うことによって、上記の分析が可能です。例えば、以下のような感じです。

引用元:Google public data

管理会計、経営分析も同じ!似ている!

ここまで聞いてくださった人は、もしかしてお気づきかもしれません。

GDPの概念とかその分析方法って、管理会計と似ているんですよね。管理会計って何?って言う人は以下をごらんください。

>>3つの”会計”の意味と社長様が最も留意すべき会計とは? 財務会計・税務会計・管理会計

以下の点で似ていませんか?

  • 付加価値を算出する
  • 一人当たりにして分析する
  • 比較分析(経営分析)

付加価値は、一番重要な概念だと言ってもいいかもしれません。そして、より深く分析するために一人当たりにして生産性を理解したり、比較分析することが有効な点も似ていますよね。

実質GDPと名目GDPなのか?は理解しておく

こちら、もう一つの留意点です。実質と名目の違いについてもおさえておくといいです。

一言で言うと、物価変動の影響を取り除くか?どうか?です。

GDPの種類

物価変動の影響
実質GDP

取り除く

例:ビックリマンチョコ 30円から50円になっても30円を使う

名目GDP

取り除かないでそのまま

例:ビックリマンチョコ 30円から50円になってら50円を使う

理解を深めるために、具体例を見ていきましょう。私は今ベトナムに住んでいるので、フォーで学んで行きたいと思います。あくまでイメージです。

フォーの

2000年2020年
フォーの値段

200円

300円

100個

100個

名目GDP

(物価変動含める)

20,000

30,000

実質GDP

(物価変動含めない)

20,000

20,000

 

本日のまとめ

本日は、GDPの基礎概念を理解すると共に、管理会計とリンクさせて理解を深めました。とっても大事ですし、本日解説したとおり、難しくはありませんよね。

ただ、これを実際の行動や経営に生かすか?で180度変わってきます。

是非、あなたの会社の経営に管理会計を生かしてくださいね!