みなさん、こんにちは、マナボックスの菅野です。

本日は、ベトナムで購買・販売活動とインボイス・支払い通貨の関係についてお伝えします。

ベトナムにおいて、ビジネスを開始する場合には、以下の活動があるかと思います。

海外・EPEからの仕入れ、国内企業からの仕入れや、逆に海外やEPEへの出荷、国内企業への出荷があります。

EPEについて何?という人もいると思います。そんな人は以下を参照にしてください。EPEについて理解できるはずです。

>>【図解あり】ベトナムの輸出加工企業(EPE)とは?輸入関税やVATの免税を図解で解説!

そんな時、どんなインボイスを利用する必要があるのか?通貨はどの通貨である必要があるのか?について迷ってしまうことがあるかと思います。これについて整理していきます。

※なお通達68(電子インボイス)の存在にはご留意くださいね。

ベトナムにおける取引の通貨とインボイスのまとめ

マトリックスでまとめましょう。原則として以下のようになります。厳密には細かいところもありますが、ここでは、あえて無視します。理解のためには以下のマトリクスで十分です。Non-EPEとは、ベトナム国内企業というイメージで大丈夫です。外国企業とは、例えば日本本社などです。

売り手(お金を受け取る方)

買い手(お金を支払う方)

どの種類のインボイス

通貨

EPE

1:外国企業コマーシャルインボイス外貨(USD,JPY)
2:EPE

セールスインボイス(07KPTQ)

EPE

3:Non-EPE

セールスインボイス(07KPTQ)

 VND

Non-EPE

4:EPE
  • 01GTKT(VATインボイス)
  • 02GTTT(帳簿方式の場合)
VND
5:外国企業コマーシャルインボイス外貨(USD,JPY)

Non-EPE

6:Non-EPE
  • 01GTKT(VATインボイス)
  • 02GTTT(帳簿方式の場合)
VND

外国企業

7:EPE

コマーシャルインボイス外貨(USD,JPY)

8:Non-EPE

 

ベトナム取引における通貨は、ドン?USD?

どの通貨によって取引ができるか?は気になりますよね。外貨(USD)でできるケースとして、

  • 買い手(支払う方)が、外国企業(例:日本本社)かEPEである場合(2パターン)
  • 売り手が外国企業(例:日本本社)である場合(2パターン)
  • 売り手と買い手がEPEの場合(1パターン)

と理解しておくとわかりやすいかと思います。合計5パターンですね。

そのため、あなたの会社が、もし、Non-EPEで、EPEや海外企業から仕入れする場合には、通貨がUSDやJPYだと問題ありということになります。

なぜ、USDなどの外貨である必要があるのか?これは、Circular No. 32/2013/TT-NHNNという通達が根拠となります。

この通達の4条に記載されています。17項目あるのですが、実務的にニーズがあるのは、EPE企業の12項のところです。

以下に、参照として条文を記載しておきます。

12. 輸出・加工企業である居住者は、以下の規定に従わなければならない。


a) 輸出禁止品を除き、輸出品の生産、加工、再加工、組立のために国内市場から物品を購入する際には、外貨での契約による価格設定、および振込みによる外貨での支払いが認められる。

国内企業は輸出企業や加工企業向けに商品を販売する際に、見積、外貨での価格設定、または送金による外貨での支払いを受けることができる。


b)他の輸出加工企業との間で、外貨での見積、価格設定、契約における価格、および送金による外貨での支払い、支払いの受領が認められている。

引用元:32/2013/TT-NHNN

 

– Official Letter No. 4950/CT-TTHT of Taxation Ho Chi Minh City on May 31, 2016

– Official Letter No. 4535 TCT/CS dated December 19, 2012 of the General Department of Taxation

も参考になります。

インボイスの種類について整理

インボイスの種類

これも覚え方のコツがあります。

  • 買い手(支払う方)が、EPEか海外企業である場合は、「コマーシャルインボイス」

いわゆる、一般的な輸出の場合です。

コマーシャルインボイスとは、会社が作ったインボイスというイメージで大丈夫です。例えば、エクセルで作ったインボイスのことです。内容については必要な事項が決まっていますが、細かなデザインなどは自社で決めることができます。

Circular No 39/2014/TT-BTCという通達では、以下の雛形が定められています。ここで定められている以外のインボイスで大丈夫というイメージです。

>>【保存版!】ベトナム駐在者がベトナムのレッドインボイス(ホアドン)の内容と見方を覚える方法

Type

Template No.

1- VAT invoice(いわゆるVATインボイス)

2 – Sale invoice.

3- Sale invoice (to be used by organizations and individuals in free trade zones)(セールスインボイス、EPEがNon-EPEに売上をする場合)

4- Invoice-equivalent documents:

  • + Ex-warehousing-cum-internal transportation slip;
  • + Delivery order for products consigned to agent.

1_01GTKT

2_02GTTT

3_07KPTQ

4.1_03XKNB

4.2_04HGDL

インボイスに記載の通貨は?

では、記載する通貨についてはどうでしょうか?

結論としては、外貨で、お金の決済する場合には、USDなどの外貨で記載することができます。それ以外は、ベトナムドンとなります。

これは、Circular No 39/2014/TT-BTCのArticle 16. Issuing invoicesというところに記載されています。

e) 請求書の通貨
請求書の通貨はベトナムドンである。
商品を販売する際に外貨を徴収することが認められている場合支払総額は外貨とし、金額はベトナム語で表記しなければならない。


例 USD 10,000 – Mười nghìn Dô la Mỹ.


売主は、請求書発行時にベトナム国家銀行が発表した銀行間外国為替市場の平均為替レートに従って、請求書に為替レートを記入しなければなりません。
徴収した外貨がベトナムドンとの交換レートを持たない場合、その通貨と他の外国通貨との交換レートが国家銀行により発表されている。

ている他の外貨との為替レートを記載しなければならない。
いくつかのケースにおける販売インボイスの発行に関する指示は、同封の付録4に記載されています。

引用元:Circular No 39/2014/TT-BTC

本日のまとめ

本日は、ベトナムでの買う。販売する。の場合の、通貨及びインボイスについてサマリーしました。

是非お役に立ててくださいね。

ベトナムでは、法律と実務の運用が離れていることもあるのでその辺りは注意です。