マナボックスによる法令ニュースです。
今日は『労働契約が終了した時の社会保険に関する手続きの解説』です。
要はあなたの会社から退職した人がいた場合の社会保険に関する責任や手続きのお話です。
この記事のもくじ
労働契約終了の際の労働者向けの社会保険手帳の閉鎖手続きを行う責任
2019年の労働法第48条の規定に基づき、労働契約を終了する際に、企業と労働者はそれぞれ以下の責任を負います。
第48条 労働契約終了時の責任
1.労働契約終了の日から14営業日以内に,両当事者はそれぞれの当事者の権益に関連を有する金額を全て清算する責任を有する。但し,30日を超えない範囲で延長することができる以下の場合を除く:
- a) 個人でない使用者が活動を終了する;
- b) 使用者が構造,技術を変更し,又は経済的理由による;
- c) 消滅分割,存続分割,新設合併,吸収合併;企業の売却,賃貸,企業の形式の転換;企業,協同組合の財産所有権,使用権の譲渡;
- d) 自然災害,火災,破壊行為又は危険な疫病による場合。
2.賃金,社会保険,医療保険,失業保険,退職手当及び集団労働協約,労働契約に従った労働者のその他の各権益は,企業,協同組合の活動終了,解散,破産において優先的に清算される。
3.使用者は以下の責任を負う:
- a) 社会保険,医療保険,失業保険の費用を納入する期間の確認手続を終了し,使用者が保持している場合には,労働者のその他の書類の原本を返還する。
- b) 労働者が要求する場合には,労働者の労働過程に関連する各資料の写しを提供する。資料の写しの作成,送付の費用は使用者が支払う。
引用元:2019年の労働法の48条
なお、以下の記事も参考になります。
>>【ベトナム労務】ベトナムで成功する日系企業の秘訣!労働契約終了の6つのパターンと退職金の実務
まとめ:上記の規定によれば、労働契約を終了する際に、企業は労働者の社会保険・失業保険料の支払い時期を確認する責任があります。
そのため、企業の経理・人事担当者は、「労働契約を終了する労働者の社会保険手帳の閉鎖手続き」を進めるよう必要な作業を行うため、この規制に注意を払う必要があります。
労働者は自分自身で社会保険手帳の閉鎖ができるか?
2019年労働法第48条の規定により、企業は社会保険・失業保険料納付期間を確認し、他の保管している労働者の書類の原本とともに社会保険手帳をその労働者へ返却する責任があります。
更に、2014年社会保険法第21条第5項でも、労働者が労働契約終了、公務員契約終了、或いは退職の場合、企業は社会保険機関と協力してその労働者に社会保険手帳を返却し、社会保険料納付期間を確認する責任があると規定されています。つまり、「社会保険手帳の閉鎖」は企業の責任であり、社会保険機関と協力して行われる必要があります。
したがって、労働者が仕事を辞めた後、法定退職であれ、即日退職であれ、社会保険機関で自分の社会保険手帳の閉鎖を行うことはできず、元の会社の担当者に連絡して手帳の閉鎖を依頼しなければなりません。
労働者の社会保険手帳を閉鎖しない企業に対する罰金
政令第 12/2022/ND-CP号第12条の規定に基づき、労働契約を終了する労働者の社会保険・失業保険料の支払い期間を確認して他の書類の原本とともにその労働者へ返却することがまだ完成しない企業は、 以下の通りに罰せられます。
被害者である労働者数 | 個人である雇用者の罰金 | 企業である雇用者の罰金 |
1名~10名 | 1,000,000VND ~ 2,000,000VND | 2,000,000VND ~ 4,000,000VND |
11名~50名 | 2,000,000VND ~ 5,000,000VND | 4,000,000VND ~ 10,000,000VND |
51名~100名 | 5,000,000VND ~ 10,000,000VND | 10,000,000VND ~ 20,000,000VND |
101名~300名 | 10,000,000VND ~ 15,000,000VND | 20,000,000VND ~ 30,000,000VND |
301名以上 | 15,000,000VND ~ 20,000,000VND | 30,000,000VND ~ 40,000,000VND |
*雇用者が企業の場合は個人の罰金の2倍となる。
罰金の支払いと同時に、企業は規定に従って労働者の社会保険・失業保険料納付期間の確認手続きを完成する必要があります。
企業が社会保険手帳を閉鎖しない場合に、労働者はどうすべきか?
2014年社会保険法第118条の規定に基づき、労働者は機関・組織・個人の決定や行為が社会保険に関する法律に違反して自分の権利や利益を侵害していると判断できる根拠がある場合、権限のある機関・組織・個人にその決定や行動を再確認するよう要請する権利を有します。
それで、労働契約終了後、企業が規定に従って社会保険手帳を閉鎖していない場合、労働者はまず企業に連絡し、自分の社会保険手帳を閉鎖するよう企業に要求する必要があります。
それでも企業が規定通りにしない場合、労働者は、企業の所在地にある労働・傷病兵・社会問題局の主席検査官に訴状を提出し、その権限に従って解決してもらうことができます。