こんにちは、マナラボの運営者の菅野です。
今日は『ビジネスにおけるフローチャートの有用性というテーマ』でお伝えします。例えば、会社の売上の流れとか仕入れの流れなどのフローチャートのことです。
この記事のもくじ
なぜ、フローチャートは有用なのか?【まずは見える化せよ】
なぜ、フローチャート(図解を作成すること)は有用なのでしょうか?その理由は以下でしょう。
- 全体の見える化で、どこにリスクがあるか?業務の負荷がかかっているか?がわかる「関係性」を明確にできる。権限分掌を決定するために役立つ。【不正防止】
- 情報量がありすぎるとよくわかならい。ビジネスを抽象化したフローチャートの方が理解に役立つ。(例:地図ではなく、航空写真を見せられたらどうか?。情報量がありすぎて、そこから目的の場所や道順を読み取ることは難しい)【シンプルだからこそ伝わりやすい】
特に海外子会社管理(ベトナムももちろん)において、図解することの効用は計り知れません。というのは言語が異なったり、持っている常識や文化が異なるからです。言語で「伝える」というのは限界があると思っています。実際海外歴9年ですがそう感じています。
以下のリンクで海外でも使える「伝える
>>あなたのメンバーの説明能力を向上してもらうためのテンプレート「SEE-I」【海外子会社マネジメントでも使えます】
フローチャートを作成する時の3つの視点
意識することは以下の3つです。
- どこの部門誰が?(Who?、Where?)
- 何をする?(What?)
- どんな順序で(When?)
この3つを強く意識しましょう。
そして以下のツールを使うのがかなり有用です。
- シンプルで限定したフローチャートの図(5つ)
- スイムレーン (Swimlane)の型(縦型がいいです)
それぞれ解説していきます。
フローチャートで必要な5つの図【フローチャート記号】
フローチャートの記号の種類を調べてみると、多くの種類の図が出てきます。20個以上はあるかもしれません。しかし、それらを全て使いこなそうとすると混乱してしまいます。
私はJ-SOXの適用初期の時に監査法人に入所(2006年くらい)し、多分200個以上のフローチャートを作ってきました。そして今は、海外経営管理をしています。そこでもっとも重要なのは、「減らす」「シンプル」にすることです。図を増やしすぎると理解できなくなってしまうのです。仮にフローチャートを作ったとしても、その目的を達成できなかったら意味がないからです。
ですから最低限、以下の図だけで問題ないと思います。
- 四角の図
- ドキュメントの図
- ひし形の図
- システムの図
- 線・矢印
それぞれなぜ大事なのか?も含めて解説していきます。
①四角の図【プロセス・処理】の図
これはプロセス・処理図形です。もっとも利用される図でしょう。というのはこの図の意味が「行動」だからです。
ビジネスを進めるため「手続き」を経ることが必須です。何を実施するのか?にあたる図形のこの図形であるため当たり前といえば当たり前です。したがって必ず動詞「〜する」という文言が含まれます。行動の動詞ですね
なにをするのか?どんな行動を起こすのか?を記載します。
例:請求書を作成する。
②ドキュメントの図【書類・帳票図形】
続いてドキュメントの図です。
なにか作業を進める場合、必ず以下の3つに分類されます。インプット・プロセス・アウトプットです。
例えば、給与計算も
- 「時間」「労働契約書」をインプットし
- 計算し(プロセス)
- 「給与計算」「給与明細」をアウトプット
します。
そしてこの「インプット」「アウトプット」の形式「ドキュメント」であることがほとんでです。
形式は、紙面やエクセルファイル、システムからのファイルの3つがありますが、この記号で統一してしまって問題ありません。
何をインプットしますか?何がアウトプットですか?の成果物は「ドキュメント」の図で表す。
例:請求書、契約書、計算シート、依頼書
③ひし形の図【判断など】
続いひし形の図です。これは、何か判断する時(Yes, No) に利用します。また、確認や承認に利用することも効果的です。
例:金額基準の判断、Yes or No?
仕訳を承認する。確認する。
④システムの図【ERPや会計ソフト】
ITなしのビジネスはないと言っても過言ではありません。この図は必須です。そしてわかりやすくするポイントは、スイムレーンの右側にシステム、データベースの枠をもうけることです。
例:会計ソフト、人事ソフト、ERP(各モジュール)など
⑤線・矢印【流れや入力、出力】
これ、当たり前と思われるかもですが、大事です。これがないと繋がりがわかりせん。組織間の流れや手続きの流れを理解するために必須な図です。
- 流れ(モノと情報)
- 入力の流れ
- 出力の流れ
によって線の種類をわけるのもありです。
例:書類の受け渡し、情報の受け渡しなど
有用なフローチャートをどのように作成するか?【スイムレイン】
ビジネスの流れを理解するためのフローチャートは一択です。スイムレインのテンプレートを利用します。
スイムレインとは?
プロセスを1つの「プール」に例えた場合、作業の役割を担う機能/組織グループごとに専用レーンで仕切る可視化表現手法のこと。一般的に役割(ロール)がこのレーンに割り当てられる
なるほど。プールをイメージするとわかりやすいと思います。
このスイムレインというテンプレートに加え、以下の要素を強く意識することがキーとなってきます。
5W1Hのなかでも、特に以下が大事となるでしょう。
- WHAT(何をするの?)(プールの中)
- WHO、WHERE(どの部門の誰が?それをするの)(レーンあり)
- WHEN(時系列。縦の流れか?横の流れか?)(流れ)
スイムレインには、横の流れと縦の流れがありますが「縦の流れ」がおすすめです。
HOWについては、どのようにそれを実施するのか?なのでフローチャートではなく、手順書やマニュアルを作成することになります。
そしてビジネスサイクル(売上、購買、在庫)という意味では、部門とシステムのレーンを区別することです。以下のようなスイムレインを使います。
権限分掌とフローチャートの関係
フローチャートを作成する主要な目的は、「この人に権限集中して不正が起きる可能性が大きいな」を把握して、それを防止することによって不正を防止することです。
>>あなたの会社にジャイアンはいませんか? 海外子会社の不正リスクを軽減する方法
それでは、どのように見極めるか?をお伝えします。以下の2つの視点を持っておくといいです。これでほぼほぼ解決できます。
- サブサイクル(発注・検収・仕訳(仕入れ計上)・支払い)で同じ部門が担当していないか?
- 3つの視点で考える
まずサブサイクルで権限がわかれているか?です。例えば、購買の流れを細分化すると発注・検収・仕訳・支払いに分類されます。これをサブサイクルと言います。これをもとに権限が適切に分掌されているか?を確認することが可能です。
例えば、発注・検収という作業を同じ部門(例えば購買部門)がしていれば、それは権限が集中して不正が起こるかもしれないというがいえます。具体的に言うと、架空発注して嘘の検収も行い、親戚の会社にお金が流れるようにすることの可能性が高まります。
2点めの「3つの視点で考える」は以下の通りです。
- 取引する人とそれを承認する人
- 仕訳する人とそれを承認する人
- お金の管理
これを分けるという意味です。発注申請する人と承認する人。検収をする人とそれを承認する人。そしてお金の管理する人。これを分ければ不正の可能性はぐっと減るでしょう。
今日のまとめ
本日は、フローチャートの有用性についてお伝えしました。「今更ですか?」と古い概念かもしれないですが、普遍的なツールです。
なぜならば、コミュニケーションに関わることだからです。不正も防止できます。
- 5つの図だけで十分
- スイムレーン図を使う
このポイントだけおさえてください。そうするとシンプルでしょう?フローチャートを作成していないということであれば、ものすごいリスクを抱えているかもですし、無駄が生まれている可能性があります。
是非作ってみてください。
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