- ベトナム電子インボイスの状況について知識をアップデートしたい方
- ベトナムで社長をされていて管理もしないといけない方
- 電子インボイスCircular 68/2019 / TT-BTC が気になる方。
こんにちは、マナボックスの菅野(すげの)です。2019年9月30日に、Circular 68/2019 / TT-BTC(通達)が発行されました。
これは、電子インボイスに関するDecree No. 119/2018/ND-CP( 2018年9月12日に発行)についての実務的でより細かい決まりを定めたものです。
この記事のもくじ
電子インボイスCircular 68/2019 / TT-BTCについてベトナム会計士に解説してもらった。
どうぞよろしく!
そこで、2019年9月30日に、よりガイダンス的な要素が記載してある、Circular 68/2019 / TT-BTCが発行されました。
ベトナムでは、このトピックについて、みんな注目してます。
これについて、解説していきます。
ベトナム電子インボイスの通達で大事なところ
今回は、重要なところ、外資系企業に影響が大きくなりそうなところへ絞って説明をお願いします!
実際の通達は、1条から27条まであります。多いですね。
その中から、絞って解説していきます。
まず、着目すべき、項目を整理します。そのうえで、具体的に説明していきますね。
≪ベトナム電子インボイスCircular 68/2019 / TT-BTCのポイント≫
1:電子インボイスはいつから適用か?改正税制法との矛盾は?
2:電子インボイスの内容について
- 2-1、インボイスの種類と記号についての内容と変更点
- 2-2、買い手(B to C)について明確な決まり。外国人は?
- 2-3 、署名について
3:税務当局のコードがついた電子インボイスを利用しなければならない場合とは?その意味合い
4:輸出がある場合について
5:電子インボイスにエラーがあった場合
1:電子インボイスはいつから適用か?改正税制法との矛盾は?
これはすべての会社が気にしています。
ちょっと前に、発表されたベトナム改正税務管理法の38/2019/QH14では、2022年7月1日となりました。
でも、この通達みると、2020年11月1日から適用って思えますね。
参考記事:ベトナム改正税務管理法の38/2019/QH14概要の解説とその影響予想
結論としては、Tax admin法で発表された、2022年ではなくて、2020年11月までに強制適用なります!
結論:2020年11月1日から、電子インボイスが強制適用される。
(本通達は、2019年11月14日より有効。)
2:電子インボイスの内容について
これも気になります!解説お願いします。
OK!
以下の順番で解説していきます。
- 2-1、インボイスの種類と記号についての内容と変更点
- 2-2、買い手(B to C)について明確な決まり、外国人の場合は?
- 2-3、署名について
電子インボイスのサンプルも添付しておきますね。
2-1、インボイスの種類と記号についての内容と変更点
解説お願いします。
はい。
こちらは5つの構成要素にわけるとわかりやすいです。
1⇒インボイスの種類(VATインボイスなど。)
2⇒税務当局の認証コードがあるか?
3⇒年度
4⇒インボイスタイプ(T,D,L,M)
5⇒任意(会社名など)(マナボックスであればMB)
Ya!
Correct
これも、それぞれ説明していきますね。
インボイスの種類
– Number 1: VAT invoice(いわゆるレッドインボイス)
– Number 2: Sales Invoice(帳簿方式のレッドインボイス)
– Number 3: E-warehousing cum electronic transport(州をまたぐ物品の取引)
– Number 4: その他(チケットとか)
現状は、01GTKTとか、1GTKT、07KPTQ、03XKNB、04HGDL0が記載されていますね。
参考記事:簡単!ベトナム駐在者がベトナムのレッドインボイスの内容と見方を覚える方法
税務当局による認証コード
電子インボイスには大きく2種類に分類されます。
それは、
- 「税務当局による認証コード」が付された電子インボイス
- 「税務当局による認証コード」が付されていない電子インボイス
です。
アルファベットだと以下のように表現されます。
これについては、あとで詳細に説明します!
コードが
Yes (
or
No (
かだね。 そういえば、カフェでいつも「Đường(砂糖なし)」ていうね。私。
笑
年度情報
時期の情報も記載されます。
西暦の下二桁が記載されます。
例えば、2020年であれば⇒20
2021年であれば、21
です。
インボイスタイプ(T,D,L,M)
インボイスのタイプも表示する必要があります。
D,L,Mについても教えてください。
Mだけ英語!なぜ!?
はい!
お金はベトナム語でtiền bạcです。Tが重複しちゃうのでMoneyにしたのかもですね。
Dですが、高速道路などのToll feeや、バス、電車などがあります。買い手が大衆の場合のイメージですかかね~。
Lは、例えば、個人(事業者がない)が副業で、レンタカー業務をして、インボイスを発行する場合ですね。FBなどでの個人販売もこれにあたるかも。
Mは、Cash registerです。スーパーなどでしょうね。ビンマートとかかと思います。
なんとなくイメージできた!
任意の2桁
MBにしたいね。マナボックスは。
例えば、以下のようなイメージになりますかね。
まとめ:インボイスの記号は、5つに分類する。
- インボイス種類(VATインボイスがほとんど)
- 認証コードがあるか?ないか?
- 年度
- インボイスタイプ(T,D,L,M)
- 任意の2文字
2-2、買い手(B to C)について明確な決まり
次は、どのような規定ですか?買い手の規定?
買い手についての具体的な内容です。今までは、買い手が、税コードを持っているケースを想定していました。つまりB to Bですね。そして、規定上は、①名前②住所③税コードが必要となっていました。
でも、B to Cもありますよね。当然、個人なのでその人は、税コードは持っていません。この辺が曖昧でした。
この点、Article 3のcにてきちんと明確になりました。税コードも持っていない場合は、明示する必要はありません。また、ある一定の場合は、買い手の名前も住所も記載する必要はありません。
また、外国の顧客への商品の販売またはサービスの提供の場合、買い手の住所に関する情報は、パスポート番号または出入国管理書類および外国の顧客の国籍に関する情報を記入することになるそうです。
2-3、署名について
次は、署名ですね。紙ベースの場合は、直接サインしていましよね。
Yes,
電子インボイスの場合は、原則として、電子署名です。電子トークンにて署名ができます。
例外として、それが適さない場合には、その必要がありません。Article 3のd)にて定められています。
売り手の電子署名が必要ない場合(企業じゃない場合)などですね。
また、両者が合意すれば、買い手の電子署名は必要がありません。
3:税務当局のコードがついた電子インボイスを利用しなければならない場合とは?その意味合い
まず、サンプルを見てみましょ!
そちらの方が早いです。
このコードがあると、税務当局が管理しやすくなります。
したがって、税務リスクが高い会社などは、このコード入りのインボイスを利用しなければいけません。
例えば、
- 関連当事者への売上がある。
- 税務違反があった。
- 12ヶ月以内に住所変更があった。(必要な通知なしで。)
このような場合は、“コードあり”のインボイスを利用する必要があります。少なくとも12ヶ月は利用し、その後に審査されます。もしOKなら、コードなしのインボイスが利用できます。
ちなみにコード入りのインボイスの場合は、インボイスレポートの提出の必要はありません。
まとめ:税務リスクが高いなど、一定の会社は、税務当局のコード入りの電子インボイスを利用しなければいけない。
4:輸出がある場合
会社に輸出取引がある場合、今は、VATインボイスでなくて、コマーシャルインボイスを使っていますよね。
Ya!
その通りです。
この通達により、変更になりました。
この通達により、輸出(輸出加工も含む)があった場合には、e-VATインボイスかe-sale invoiceを発行することが必要になりました。
実務上は、外資系は、インボイス方式を採用している会社が多いのでe-VATインボイスになると思いますね。輸出手続きが完了したら、発行する必要があります。
結論:通達適用後、輸出取引の場合は、E-VATインボイスを発行する。
5:電子インボイスにエラーがあった場合
●通知の作成
原則として、売り手は、電子請求書取消通知(法令第119/2018 / ND-CP付録のフォームNo. 04)を税務署に届けなければいけません。
通知には、買い手の電子署名が必要となります。
税務当局は、これによりシステム上の誤った電子請求書をキャンセルします。
●ケース別
買い手の名前または住所が間違っているが、税番号およびその他の情報が正しい場合⇒No. 04の通知のみで、電子インボイスの再発行はいりません。形式的なミスだからです。
電子インボイスの税番号、金額、税率、税額または商品が間違っている場合、
⇒売り手と買い手はミスを明記した文書を作成します。売り手は税務当局に通知(政令No. 119/2018 / ND-CPのフォームNo. 04)します。
税務当局は、通知を受け取った後、システム上の誤った電子インボイスを破棄、キャンセルします。
●税務当局が発見した場合
税務当局は、認証済みの電子インボイスに誤りがあることを発見した場合、売り手に通知(法令No. 119/2018 / ND-CPの付録のフォームNo. 05)を送付します。
税務当局の通知を受け取ってから2日以内に、売り手は税務当局に通知(フォームNo. 04)を送付しなければいけません。
通知には、販売者のデジタル署名または電子署名が必要です。税務当局は、通知を受け取った後、交換する電子インボイスを再発行します。
まとめると以下の表になります。
まとめ:電子インボイスに誤りがあった場合、フォームNo. 04にて税務当局にて報告しないといけない。
★本日のまとめ★
≪ベトナム電子インボイスCircular 68/2019 / TT-BTCのポイント≫
1:電子インボイスはいつから適用か?⇒2020年11月から(強制適用)
2:電子インボイスの内容について
- 2-1、インボイスの種類と記号についての内容⇒5つの構成要素①インボイス種類②認証コードの有無③年度④インボイスタイプ(T,D,L,M)⑤任意の2文字
- 2-2、買い手(B to C)について明確な決まり。外国人は?⇒B to Cに考慮した決まり
- 2-3 、署名について⇒電子署名が必要、正し例外あり。
3:税務当局のコードがついた電子インボイス⇒一定の会社は、コード付きの電子インボイス
4:輸出がある場合について⇒コマーシャルインボイスではなく、E-VATインボイスを利用
5:電子インボイスにエラーがあった場合⇒原則、フォームにて通知しキャンセル、例外もあり
今日はいろいろありがとうございました。ベトナム会計士の意見が聞けて参考になりました!