こんにちは、マナボックスの菅野(すげの)です。
ベトナムのレッドインボイス、、、、。大きな悩みの一つですよね。
ベトナムのレッドインボイスは、ざっくりグループ分けすると2つに分かれます。
1)紙ベース
2)電子ベース
今後、ベトナムでは、紙ベースのインボイスが禁止されていく方向です。電子インボイスの使用を促進していく方向になっています。
なぜ、紙ベースが禁止される(方向)なのか?
これは、2つの視点で整理できます。
それは、ベトナム(税務当局)と企業側という視点です。
ベトナム側のメリットとは?
まずは、ベトナム側(税務当局)にどのようなたくらみ(メリット)があるか見ていきましょう。
端的にいえば、法人税及びVATのチェックを効率的かつ効果的に実施したいからです。
現状では、税務調査の際に、税務局はインボイスの確認作業を行う必要があり、ものすごい時間と労力を要しています。
ちょっと、想像してみましょう。
例えば、
企業に来て、会社のインボイスの5年分の調査、、、、、。数十冊ものファイル。朝から晩まで、ひたすらインボイスのチェック、、、。ものすごく時間がかかりそうです。
ベトナムは、日本と違ってインボイス方式を採用しています。そのため、インボイスの調査が必要になるのですね。
電子インボイスが適用されると、インボイスの情報が、適時にベトナム税務局へ集約されることになります。(電子インボイスには、税コードが必要となり、システム上その情報が流れるのだと思います。)
そうすると、税務局は企業の日々の売上や費用の把握が適時に可能となりますよね。さらに、インボイスの発行に関する異常取引も容易に発見することができると期待しているようです。
そうすると、どうでしょう?
例えば、二重帳簿による売上の過少申告などがやりにくい状況になるでしょう。
ベトナムの税収は、予算と比べて十分とは言えない状況も続いていますよね。まだまだ現金取引が多いですから、税務申告していない企業だってあります。
税収をしっかり確保したいというベトナム側の思惑があると言えるでしょう。
企業側の影響は?
この電子インボイスですが、企業側にもちろんメリットがありますよ。
電子インボイスの効果は、インボイスを発行する側(売り手)とインボイスを購入する側(購入側)で整理できます。
この記事のもくじ
インボイス発行する側(売り手)
インボイス発行する側(売り手)の企業としては、電子インボイスの作成及び送付業務が簡素化されます。
例えば、郵送費、封筒代、印刷費を削減し、諸経費や無駄なコストを減額することができますよねまた、紛失のリスクも減ります。
また、インボイスの発行にかかっていたあなたのスタッフの残業時間や人数も減らすことができます。「レッドインボイスがまだ届いてないよ!」などの問い合わせにすぐに対応できますよね。
インボイスをもらう側(購入側)
一方で、インボイスをもらう側(購入側)としては、売り手の提供企業から電子データで電子インボイスを入手することができます。
そのため、
紙面と比べインボイスががすぐ届きますので、取引のスピードが高まりますよね。
例えば、ベトナムで飲食やカラオケに行った後、紙面のレッドインボイスの入手まで数日かかると経験があるのではないでしょうか?
また、過去のインボイスなどをデータからいつでもすぐに検索することができます。
上記のようなメリットから、企業側は、月次決算の早期化も可能となります。現状では、インボイスが届いてないから月次決算が締まらないといった問題も解決できるでしょう?
経理担当者の事務作業の時間が大幅に削減されるといたメリットがあります。
また、上記で述べた通り、紛失のリスクも減りますから、損金不算入や仕入れ控除の問題が減るでしょう。
https://manabox-global.com/2017/05/25/invoice/
他の国の状況は?
例えば、タイも、この電子タックス・インボイス(e-Tax Invoice)の運用が試験的に導入されているようです。
2017年1月からe-Tax Invoiceの運用が開始されましたが、まずは
-売上高が大きい企業(売上高が5億バーツ以上:約15億円)
-Tax Invoiceの取扱いが多い企業
から開始している。今後、段階的に運用を行っていき、徐々に範囲を拡大させていくとのアナウンスが出ている。
また、日本でも電子インボイスは運用されていますが、特に強制ではありません。
☆本日のまとめ☆
電子インボイスの効果は以下の通りです。
誰が? | 電子インボイスの効果 | |
ベトナム側 | 税務調査時のインボイスの確認作業が楽になる。 脱税や不正を防止する。 (企業側の売上や費用の状況をすぐに把握できる。) | |
企業側 | 発行側(売り手) | コスト減額(郵送費、封筒代、印刷費を削減し、諸経費や無駄なコストを減額) 経理スタッフの事務作業の大幅な削減 |
受領側(買い手) | インボイスの入手までの期間が早くなる。 紛失リスクが減る。(損金不算入や仕入れ控除の問題が生じにくい。) 紙が減るためファイルが減る。 |
ベトナムの草案では2018年1月から、電子インボイスの適用を進めていくそうです。しかしながら、実務上、可能か?という問題がありますよね。
個人的な意見になりますが、電子インボイスの適用は、ある一定の会社から少しずーつ浸透していくのではなないかと考えております。
まだまだ、紙ベースが主流です。企業側からすると、それが当たり前でしたしね。脱税がしやすいという点でも会社によっては電子インボイスを嫌がる可能性もあります。
本日は、電子インボイスについて説明させて頂きました。
あなたが、電子インボイスを深く理解することにより、正しい判断と業務効率化できることを祈っております。
それでは、また!