こんにちは、マナボックスの菅野(すげの)です。
ベトナム電子インボイスに関する政令119/2018/ND-CPが発行されました。
参考:Circular 68/2019 / TT-BTC 電子インボイスについてベトナム人公認会計士に聞いてみました!
(2019年9月30日に発表されました。)
そして、この電子インボイスへの移行についての、オフィシャルレターが発行されました。
- 電子インボイスの動向について気になる方
- すでに紙インボイスを利用しており、いつ電子インボイスに移行するか不安な方
- 電子インボイスについてのオフィシャルレターについて知りたい方
紙面のインボイスを使ってる会社が、“綴り”を使い終わったら?
上記の政令によると、すでに、紙面のインボイスを利用している会社は、2020年10月31日まではそれを継続できることができるようです。
しかし、紙面のインボイスは、数百枚程度の“綴り”となっております。
参考:簡単!ベトナム駐在者がベトナムのレッドインボイスの内容と見方を覚える方法
レッドインボイスは、売上の都度、発行されますね。そうすると、いつか使い切ってしまいます。
それは、2020年10月末より、前の日付であることの可能性が大です。50枚とか100枚の綴りのケースも多いですから。
これについてのオフィシャルレターが発行されました。
いったい、どういうことでしょう?
それは、
2020年10月末より前に、紙面インボイスを使い切ったら、
①再度、紙面インボイスを購入して、2020年10月末まで使える?
②なくなったら、その次は、電子インボイスに変更しなければならない??
という論点です。
地方税務局のオフィシャルレターの内容
この点、2018年10月9日付けの2925/CT-TTHTの回答は、
②電子インボイスに変更しなければならない。ということでした。
しかし!
国税局(GDT)の見解は、違いました、、、。
国税局(GDT)のオフィシャルレターとは?
上位レベルである、GDT(General Tax department)から、4311/TCT/CSが11月5日に発行されました。
その回答は、
①再度、紙面インボイスを購入して、2020年10月末まで使うことができる。(容認)
でした。
電子インボイスの実務上の利用における問題点は、いろいろ出てくると思っています。そのため、電子インボイスがメリットだけとでも限りません。むしろ、出荷ができないケースが出てくるなどリスクもあるのではないかと思っています。
参考記事:ベトナム、紙ベースのインボイス廃止か?
実務上の運用が落ち着くまでは、紙インボイスの利用がいいという考えもあります。
そのような会社にとっては朗報ですよね。
また、このオフィシャルレターでは、ベトナム財務省は近日中に政令(Decree)よりも実務上のガイダンスが記載された通達(Circular)を発行すると言っています。
こちらが出るまで、具体的な行動を待つことも大切かと思います。
参考:ベトナムで支援してる会計士だからこそわかった。たった10秒でわかるオフィシャルレターで留意すべきポイント!
※オフィシャルレターは、原則、個別の質問に対する回答であって、100%他の会社にも適用されるとは限りません。不安な場合は、普段お願いしているコンサルさんに質問することをオススメします。
★本日のまとめ★
・電子インボイスに関する政令では、紙インボイスは2020年10月31日まで利用できるとなっている。
・紙インボイスは、綴りとなっている。すべて、使い終わったらどうするのか?この論点がある。
・①再度、紙インボイスを購入して利用継続可能?②すぐに電子インボイスに切り替える?
・General Tax departmentのオフィシャルレターでは、①を許容している。
いかがでしょうか?
ベトナムの税務って、難しいですよね。曖昧ですし。今回のオフィシャルレターで、現状、紙インボイス使っている会社についての不明確だった部分が明確になりました。
あなたの会社が、ベトナム電子インボイスについて深い理解をして、不測な損害を受けないように祈っていますね。
ベトナム税務は、非常に複雑であいまいです。意見も分かれる場合もあります。マナボックスにはベトナム歴9年の日本公認会計士と実務経験豊富なベトナム人会計士が、ベトナムの税務の実務上の留意点についても相談させて頂きます。