こんにちは、すげのです。
グローバリゼーションの時代です。日本国内だけで、生きていくという選択肢だけではありません。そうした中、海外赴任される人もたくさんいると思います。
本日は、海外駐在、赴任する前にチェックすべき点をまとめたいと思います。
赴任される本人や本社の人事部担当者、現地法人の社長様向けにお役にたてるように記載しました。
税務とか人事・労務、重要性の観点からまとめています。よくある質問や漏れてしまう事項をピックアップしました。
この記事のもくじ
海外駐在、赴任前にチェックするべき項目
項目をまとめると以下のようになります。
項目 | 内容 |
労務・公的機関 | ビザやワークパーミットを検討したか? パスポートの期間はチェックしたか?(少なくとも6ヶ月ある?) |
税務関連 | 年末調整はしたか?または確定申告はしたか? (日本での所得税は原則として発生しない) |
住民票について対応したか? (住宅ローン控除適用者に対し税務上の必要な説明をしたか?) | |
介護保険料について検討したか?(40歳以上) | |
給与・各種手当 | 海外給与の決定 【赴任者規定】【任命書】【覚書】【出向契約書】を作成したか? -日本の健康保険や年金の取り扱いを整理したか? |
給与・各種手当 | 個人所得税のグロスアップの検討したか?(資金繰りをきちんと考慮したか?) |
駐在員に対して | 健康診断、予防接種の手配 |
赴任者への事前教育をしたか? |
それぞれ解説していきますね。
ビザやワークパーミットを検討したか?
ベトナムに滞在し、働くためには、ワークパーミットやレジデンスカードが必要。
ベトナムに滞在するためにはVISAが必要です。また、働くためにも許可が必要です。これについて検討しなければいけません。
参考記事:徹底解説!ベトナムのビザ・ワークパーミット(労働許可証)の取得の流れ【まとめ記事】
年末調整したか?
ベトナムに赴任(1年以上の予定で離れる)する場合には、出国までに年末調整する必要があります。一定の場合には、「確定申告」が必要になります。
結構、忘れているパターンが多いですね。そのため、二重課税になってしまう事があります。
ベトナムに赴任する場合には、ベトナムの居住者となるため、日本で税務の義務がなくなります。つまり、日本から出向する前に、「日本での税務関係をきれいにする」にする必要があります。いろいろ控除などしている場合には、「年末調整」でなく、「確定申告」する必要があります。
参考記事:海外駐在、ベトナムで駐在する日本人の給与の支払いの3つのパターンと税務上のリスク、実務上の留意点
住民票について対応したか?
ベトナムに赴任(1年以上の予定で離れる)する場合には、住民票の転職届を提出する必要がある。
住民票も抜いているか?確認項目ですね。以下で詳細を確認しています。
参考記事:ベトナム海外赴任者の日本での住民税は?住民票抜く?影響について解説
介護保険料について検討したか?(40歳以上)
海外、ベトナム勤務中は一定条件を満たし、届出を行えば、介護保険料の納付は適用除外になります。
介護保険の被保険者は、原則として40歳以上の人です。つまり、40歳以上の人は、この保険料を払っています。給与明細に出てきますよね。海外勤務する際に、第2号被保険者の場合には、『介護保険適用除外該当届』を提出すれば、介護保険料は住民票を除票した月か支払う義務がなくなります。
逆に言うと、住民票がある場合や、『介護保険適用除外該当届』を届けてしてない場合には、支払う義務があります。なお、海外居住を理由とした、『介護保険適用除外該当届』によって支払わなくても、介護保険サービスを受ける際に、サービスの内容に差がつくことはありません。
>>もしかしたら、1年間で4万円の手取りが増える?海外赴任中の介護保険料の取り扱いについて解説
海外給与の決定、【赴任者規定】【任命書】【覚書】【出向契約書】の作成
海外赴任前には、給与額や誰が払うか?負担関係を明確にする必要がある。
日本の健康保険や社会保険の継続も検討する。
赴任者が、一番気になるところかもしれません。給与でありお金に関わることだからです。会社と赴任者で揉めるところかもしれません。
ベトナム現地で払う分があるのか?日本での雇用関係は継続したままなのか?なども検討する必要があります。
また、形式的な面では、【海外出向契約書】等の書面を準備する必要があります。なぜならば、法人税という観点でも、ベトナム側が負担する部分についても明確にする必要があるからです。
参考記事:海外駐在、ベトナムで駐在する日本人の給与の支払いの3つのパターンと税務上のリスク、実務上の留意点
個人所得税のグロスアップの検討したか?
駐在員の給与は、グロスアップが普通。グロスアップした場合には、会社が負担する。
海外赴任前は、手取り保障が、普通です。グロスアップして計算した個人所得税の金額を会社が負担します。
ベトナムの所得税は、半端なく高いです。日本人の方がびっくりするポイントでもあります。グロスアップした総額が、会社の経費といった点で、資金繰りする必要もあります。そうしないと、資金ショートしてしまう!って可能性もあります。それくらいインパクトがあります。
参考記事:海外駐在員、グロスアップ給与計算の仕組み
駐在員に対して健康診断・予防接種したか?
赴任者の健康が一番大事!健康診断や必要な予防接種をしたか?
やはり、海外ではストレスもありますので健康が大事です。感染症なども気になりますよね。そのため、健康診断および予防接種が必要になります。
赴任前に行っておくべき研修
必須!日本人が赴任する際に研修しないのは、数百万円を捨てているのと同じ。
国際経営を研究している学者の間では、海外赴任の前に研修を効果的であるというのは一致しています。なぜでしょうか?
- 文化が違う
- 宗教が違う
- 法律が違う
- 会計・税務が違う
- 言語が違う
からです。それなのに、研修をしないなんて危険すぎるのです。現地到着後に避けられたはずの問題に直面したり、トラベルを起こしてしまったり……。
そして、駐在員のコストは、年間1,500万円から2,000万円です。日給にすると、5万円程度、時給にすると1万円弱。つまり、どういうことか?赴任者にはというとそれに対しての価値を生み出す義務があります。こんなこと言うと、厳しい。って言われそうですが、価値を生み出せなくなったら、あなたに赴任を依頼する意味がなくなります。くわえて、現代ではこれまでのように駐在員に手厚くされる時代が終焉をむかえていると思います。
それなのに、事前研修しないという、正直、頭の悪い意思決定はありえないということです。でも、しない会社たくさんあるんです。ケチというか、お金の知識が乏しいからとしか言えません。あとは自分で勉強します。とかですね。
その結果、痛い目を見るというケースはたくさんあるんですが、結局責任は誰も取りません。海外のリスクについては、先人の失敗や、体系化された知識を事前に学ぶべきです。数日間の話ですし、これによる、効果は、計り知れません。
- 問題を事前に防止できる(不正防止、コンプライアンス)
- 赴任者の時間を短縮できる。(ノウハウを効率的に吸収することにより、活躍できるまでの期間が短縮)
ぜひ、研修を検討するべきだと思います。
海外赴任前のチェックリスト
項目 | 内容 | チェックリスト |
労務・公的機関 | ビザやワークパーミットを検討したか? パスポートの期間はチェックしたか? | □ |
税務関連
| 年末調整はしたか? | □ |
住民票について対応したか? (住宅ローン控除適用者に対し税務上の必要な説明を下か?) | □ | |
介護保険料について検討したか?(40歳以上) | □ | |
給与・各種手当 | 海外給与の決定 【赴任者規定】【任命書】【覚書】【出向契約書】の作成をしたか? -日本の健康保険や年金の取り扱いを整理したか? | □ |
給与・各種手当 | 個人所得税のグロスアップの検討したか?(資金繰りにきちんと考慮したか?) | □ |
駐在員に対して | 健康診断、予防接種の手配をしたか? | □ |
赴任者への事前教育をしたか? | □ |
お役に立てれば幸いです!