こんにちは、マナボックスのすげのです。
本日、こんなニュースがあったよ!とベトナム人の公認会計士からSNSが来ました。
例の日系の会社(天馬)が、多額の罰金を逃れるために支払った賄賂の件でした。詳細については以下のリンク先をご参照ください。
参考記事:アジア、ベトナム公務員に2500万円の賄賂?新興国などの海外子会社の駐在者は、常にジレンマを抱えている。
ベトナム首相のフック氏も、これには、怒りをあらわにしているようで、実際に動きがでたということです。国のトップが動いていますからね。本気度が伺えます。
この賄賂は、ベトナム側からすると、「税収を減らす。ベトナムの損失」とも捉えることができるからです。
本日はそのベトナムのニュースの内容についてまとめていきたいと思います。
ニュースは以下の2つを調べました。
http://baochinhphu.vn/ (VGP news)
賄賂についての対策についてのニュースのサマリー(事実関係の整理)
大きなポイントは以下の通りです。
○フック首相が本気
○Tenma Vietnamの税務、税関調査(緊急調査)を再実施するためのチームを任命
○財務省は、「バクニン税務局」と「バクニン税関局」の職員(過去の調査に関連した人)に15日間の業務停止処分を公式に命令(2020年5月27日から)
もう少し詳しく記載すると以下のようになります。
・フック首相が指示を出している。緊急調査と作業のために機能機関を任命した。
・バクニン人民委員会の委員長であるグエンフォーンザンは、1;州警察、2;税務局、3:税関局、4:バクニン工業地帯当局および関連機関と協力した。
・「バクニン経済警察」は、2017年1月から現在までの通関手続きの結果と同じ結果であるテンマベトナムの輸出入通関申告の開始に関連するすべての書類ドキュメントを提供するよう、地方税関局に要請しました。
・さらに、バクニン警察捜査警察庁は税関に対し、輸出入税、輸入品および輸出品に対する付加価値税(VAT)に関して、テンマベトナムがどのように呼ばれているのかを説明するよう要請
・多くの関連する職員の仕事を調査のため一時的に中断
5月26日、「財務省」は、「バクニン税務局」と「バクニン税関局」の職員の仕事に関して、税務総局長と税関総局長に文書で15日間の業務停止を命じた。
・業務停止処分された人の名前も公表されている。
http://baochinhphu.vn/Phap-luat/Thong-tin-moi-nhat-ve-vu-Tenma-Viet-Nam/396611.vgp
気になる今後の動向について
上記の事実から、今後、気になる点を考えてみました。これは私の意見です。おそらく、今回の特別緊急調査で、この日系企業に追徴課税がなされる可能性が高いと思っています。
これをきっかけに周りにはどのような影響があるか?を考えてみました。
日系企業・外資企業への影響及び駐在員様のマインド
まず、日系企業等への調査の影響です。
この調査を機会に、もっと調査が強化される可能性があります。
・過去分の未実施も含めて再調査
・今後は、明らかに大きな賄賂は認められなくなる。税務や税関担当官も受け取りたくないというマインドになってくる。
コロナの影響で、ベトナムの国に税収が減っているでしょうから、風当たりはきつくなると思います。
過去分も調査されるときついですよね。
次に駐在員様のマインドです。
やはり、かなり不安になると思います。
正直、よかれと思ってやってきた。会社のためにやってきた。それなのに、犯罪になる可能性があるからです。
やってられないよ!って言う感じかなと。
ベトナム税務担当官、関税担当官などへの処遇
どうでしょう。大きな動きがあるような気がします。
賄賂がなぜ起きてしまうのか?
参考記事:ベトナムでの不正はあたりまえ?賄賂(わいろ)の3つのタイプとは?日本人が考えるべきこと
その大きな原因は、公式な給与が少ないからです。そのため、どうしても以下のようなマインドになってしまうのです。
「給与低いんだから、賄賂くらいもらわないとやってられねー。」
これは、不正のトライアングルという考え方にもきちんと当てはまります。いわゆる、正当性というやつです。
参考記事:海外子会社の売上が5%も失われている? 不正のトライアングル
そのため、税務担当官等の基本給与が、最低賃金を含めて急上昇する可能性が十分あるのかなと思います。そうすると、外国人の社会保険の納付金額にも影響が出る可能性があります。なぜならば、社会保険の種類によっては、最低賃金の何倍までという上限があるからです。詳しくは、以下をご参照ください。
参考記事:ベトナム、外国人社会保険料に関する新政令、日系企業と日本人への影響は?
本日は、ベトナムでの賄賂について、フック首相が本気になって再調査するという点と今後の動向の予想についてお話させていただきました。
リスクマネジメントは、今後もっと重要になるかと思っています。もちろん、マーケティングとイノベーションが最も重要ですが、最低限のリスクマネジメントはするべきだと思います。