ベトナムで法人を設立した後に、迅速に実施しなければいけない事項があります。
忘れると大変な場合になる場合もあります。罰金とか当局の人との面倒な交渉とか……。本日は、そのベトナムで法人設立後の初期手続きにの概要をお伝えします。
- ベトナムでの法人設立したばかり。
- 海外投資が初めてで不安。
- 法人設立後に具体的どのような手続きがあるのか知りたい。
全体の項目は以下の通りです。
- 銀行口座の開設
- 資本金の入金
- 銀行口座情報の通知
- 事業税の申告・納付
- 会計情報の税務当局への登録
- 税務申告・支払いのための電子署名の購入及び登録
- インボイス(ホアドン)の購入
- 個人所得税申告(PIT)用の個人税コードの登録
- 賃金テーブルの通知(新労働法ではなくなった)
- 開業時の労働者雇用状況の報告
- 社会保険コードの登録
- 就業規則の登録
(10名以上を雇用する企業の場合) - 会計ソフトの購入
- 監査法人について
この記事のもくじ
銀行口座の開設
設立後、資本金を入金する口座が必要となります。事業活動を行うためには資金が必要です。その資本金の拠出先として、銀行口座が必要となります。
参考記事:ベトナムで会社設立支援してきてわかった!ベトナムで銀行口座の選ぶ時の6つのポイント
資本金の入金
銀行口座を開設しましたら、資本金の金額を実際に資本口座に入金する必要があります。ERCの日付より90日以内なので留意する必要があります。
参考記事:>>ベトナム会社設立後、資本金のお金を実際に振り込んでいますか?振り込まないと、、、。
>>ベトナムの投資登録証明書(IRC)をどこよりも詳しく徹底解説! 【保存版】
>>どこよりも詳しく、ベトナムERC(企業登録証明書)を徹底解説してみた!
銀行口座情報の通知
銀行口座を開設したら、その情報を関連する関連する当局に通知する必要があります。
>>ベトナム、会社設立後に「銀行情報」を計画投資局に通知する必要がある。その方法を解説。
事業税の申告・納付
ERC(事業登録証明書)の日付から30日以内に申告・納付する必要があります。
資本金口座の入金の期限が90日以内です。しかし、この場合の期限が短いです。したがって、漏れというリスクが高いです。
こちら実務上は、キャッシュ(現金)で納付することも可能です。
参考記事:>>ベトナムの事業登録料の申告・支払いは忘れずに!
>>【ベトナム法令改正】事業登録税について新政令22/2020についてベトナム会計士による解説 2つのポイント
会計情報の税務当局への登録
以下の情報を、原則として、税務当局へ登録する必要があります。
- 固定資産の減価償却費方法
- 会計制度の選択適用(200/2014-TT-BTCが主流です)
- 会計通貨の選択
- 棚卸評価法の選択
税務申告・支払いのための電子署名の購入及び税務当局への登録
ベトナムでの会社の税務申告は、オンラインで実施することが通常です。そのため。電子署名(トークン)をサプライヤーから購入します。
その後、それについて税務当局に登録する必要があります。
インボイス(ホアドン)の購入(設定)
ベトナム国内での売上の前に、インボイスを購入する必要があります。電子インボイスであればそれを発行するサプライヤーを選ぶ必要があります。
参考記事:
>>簡単!ベトナム駐在者がベトナムのレッドインボイスの内容と見方を覚える方法
>>Circular 68/2019 / TT-BTC 電子インボイスについてベトナム人公認会計士に聞いてみました!
>>【会計の専門家レビュー】ご紹介!ベトナムの電子インボイスを提供している会社【厳選5社】
個人所得税申告(PIT)用の個人税コードの登録
日本人駐在者が、日本から給与をもらっている場合には、その分について、個人が申告・納税する必要があります。
そのためには、個人税コードの登録が必要となります。マイナンバー制度と似ていますね。
>>ケース別で解説!駐在員のベトナム個人所得税の2つの申告方法
賃金テーブルの通知
ベトナム人を雇用した後、社会保険登録前に「賃金テーブル」を地方労働局へ通知する必要があります。注新労働法2019では必要なくなりました。ただし、実務上は必要になるでしょう。
開業時の労働者雇用状況の報告
賃金テーブルと同時に「労働者雇用状況」を提出します。
社会保険コードの登録
初めての社員(ベトナム人)と労働契約(正式)を締結してから30日以内に「保険登録手続」を実施し、強制保険料(社会保険、健康保険、失業保険)を支払います。
この点、駐在員については論点があります。
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就業規則の登録
(10名以上を雇用する企業の場合)
法令上、10名以上の従業員を雇用する場合は、当局へ就業規則を「登録」しなければなりません。ただ、実務上はどの会社も作成することになります。
労働許可証及びレジデンスカードの取得
日本人駐在員が駐在する場合には、こちらが必要です。
参考記事:>>ベトナムのビザ・ワークパーミット(労働許可証)の取得の流れ 【まとめ記事】
会計ソフトの購入
事業が始まったら、会計帳簿が必要になります。取引を記帳する必要があるからです。BS,PLなどです。
ベトナムの会計ソフト事情がわかる!日系企業が留意すべきポイントも解説【厳選9選】
監査法人の決定の考慮
外資系企業は、会計監査を受ける必要があります。
そのため、監査法人を決定する必要があります。選ぶ際3つに分類して整理するといいです。
1)ローカル監査法人2)日系の監査法人(日本人がいる)3)いわゆるBIG 4(PwC,KPMG,Deloite,EY)
値段も違ってきますので、そこも事前に留意ください。
ザクッとではございますが、ベトナムで現地法人を設立したら、初期手続きとしていろいろ実施しなければいけません。
是非、忘れないようにしてくださいね!あなたの会社がベトナムで成功することを祈っています!